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たかまつななさんに聞く核禁条約

 「唯一の戦争被爆国」である日本が、核兵器禁止条約には参加しない。「残念だな」が率直な感想です。核廃絶を訴える署名活動などを続けている「高校生平和大使」だった経験もあり、そう思いました。

 条約批准が50カ国・地域に達した約1カ月後の12月、日本が提出した核廃絶決議案が国連総会で採択されていますよね。思わず、笑っちゃったんです。「どっちなんだよ」って。条約に参加しないと言ったのに、廃絶決議案は出す。そうしているうちは、国際社会の信頼は得られないんだろうなと感じました。

 でも、じゃあどうすればいいのか。私も明確な答えは出せていません。安全保障や核をめぐる政策について考えた時、どこが良い落としどころなのか、本当に分からないんです。

 日本は、いわゆる米国の「核の傘」の下にいる。その傘から出て条約に参加しても、「じゃあ日本の安全保障はどうするの?」という疑問は当然出てくる。一方で、「安全保障を米国任せにする時代は終わった」という声も聞きます。

 核軍縮の方向性をじっくり考えていくことが大切じゃないかって思います。そのために、教育分野で工夫してみるのはどうでしょうか。日本の平和教育は、ほとんどが原爆の悲惨さを伝えて終わり。被害の側面が強調されるので「核兵器は廃絶した方がいい」って思うようになります。

 米国では、学校で「原爆投下は正しかったかどうか」を議論すると聞いたことがあります。「戦争を終わらせるためには原爆投下は必要だった」との主張がある半面、「必要なかった」と言う人もいます。日本とは全く違う議論です。

 なぜ核兵器を持つ国が生まれたのか、その核兵器がなぜ75年以上経った今も存在し続けるのか。そういった幅広い視点や考えで議論を交わせば、みんなが核廃絶をより真剣に、身近に考え、現実的な解決策に近付くはずです。

 メディアにも、率先してそんな議論を起こしてほしい。私も、お笑いジャーナリストとして取材を続け、発信していきたいです。(聞き手・新垣卓也)

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 1993年、横浜市生まれ。慶応義塾大大学院政策メディア研究科、東京大大学院情報学環教育部修了。「お笑いジャーナリスト」として、社会問題を取材。近著に『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』(くもん出版)。