静岡茶・ハチミツ…スズキ、自社ゆかりの株主優待を廃止

稲垣千駿
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 自動車大手では珍しく株主優待制度を採り入れていたスズキが、制度の廃止を決めた。地元の静岡茶や工場があるハンガリーでとれたハチミツを提供してきたが、海外投資家など優待を受けられない株主もいるため、不公平の解消もあって利益の還元方法は配当に集約する。

 スズキによると、株主優待は100株以上を保有する株主を対象に、2006年に始まった。これまではハンガリー産の「アカシアハチミツ」などの詰め合わせを贈ってきた。昨年は静岡県牧之原市産のブランド茶「望(のぞみ)」を株主に届けた。

 廃止は昨年12月の取締役会で決議。株主は約3万人いるが、保有比率で約35%を占める海外投資家には優待を提供しておらず、「利益還元のあり方から検討を重ねて決めた」(広報)。制度創設時は個人株主を増やす目的があったが、「ある程度達成された」ことも理由という。コロナ禍の業績悪化は関係ない、と説明している。

 株主優待では自社製品や金券などを贈る企業がめだつ。自動車業界では「配当で株主に貢献する」という企業が多く、スズキが廃止したことで制度があるのはホンダだけになる。ホンダは工場見学に招いたり、鈴鹿サーキットで使える優待券などを贈ったりしているという。(稲垣千駿)