トランプ氏、交代直前に渡航制限解除へ 新政権は不快感

ワシントン=香取啓介
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 トランプ米大統領は18日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために実施していた欧州各国やブラジルからの渡航規制を終わらせる、と発表した。解除は26日からでバイデン新政権の発足後になるが、新政権のサキ報道官は、感染力の強い変異ウイルスの拡大などをあげ、「規制を解除するつもりはない」と反発している。

 トランプ政権は新型コロナウイルスの国内感染が広まった昨年3~5月に欧州諸国の大半と英国、アイルランドブラジルに直近に滞在した非米国籍の人の入国を制限していた。

 15日の声明では、新たに全ての米国渡航者に事前の新型コロナウイルス検査の陰性証明の提出を義務づけた。これが26日から実施されることから、同日に欧州などからの渡航制限を解除しても、ウイルスの米国内への拡散を防げるとした。

 一方で、同様に渡航制限を行っている中国(香港、台湾を除く)とイランについては、「米国の保健当局との協力に何度も失敗してきた」とし、規制を続けるとしている。トランプ氏は「旅行を安全に再開すると同時に、米国民を新型コロナから守る最良の方法だ」と述べた。

 これに対し、20日に発足するバイデン新政権は強い不快感を示している。米国は2400万人の感染が確認され、死者数は40万人近い。次期政権のサキ報道官はツイッターに「感染拡大が悪化し、より感染力の強い変異ウイルスが世界中で出現する中で、海外旅行の制限を解除する時ではない」と述べ、逆にさらに取り組みを強化する計画だとしている。(ワシントン=香取啓介)