17日まで大阪市で開かれていた卓球の全日本選手権。大会前半は小学生、中学生の活躍もあった。そんななか、男子シングルスで中学1年生に敗れた35歳に話を聞くと、ピンポン球に情熱をそそぐユニークな人生があった。
2回戦のコートに、幼い頃から年代別の日本一をほぼ総なめにし、将来を期待される13歳の中学1年生、松島輝空(そら)がいた。卓球台の周囲をテレビカメラが取り囲む。中学、高校生を全寮制のナショナルトレーニングセンターで英才教育する日本オリンピック委員会の「エリートアカデミー」所属で、ジャージーにはスポンサーのロゴが並ぶ。
「あのロゴの分だけ期待を背負って戦うのは、ほんまに大変なことやと思う。逆に僕なんて誰にも期待されていませんから」。そう話すのは対戦相手として初戦を迎えた岩城禎(ただし)、35歳。大会出場者の中でほぼ最年長だ。
速いピッチで相手を振り回そうとする松島。対する岩城も運動量で負けていなかった。お世辞にも洗練された卓球ではないが、泥臭く動き回って球を返す。普段の練習では受けたことがほぼないであろう遅い球で、序盤は松島を戸惑わせた。それでも徐々に対応され、ゲームカウント0―3のストレート負け。「1本でも満足いくラリーがしたかったので、自分の力は出せた」。初めての全日本選手権シングルスを終えて、さばさばと語った。
和歌山県出身の岩城は、奈良県大和郡山市の中学生時代は、市の大会でも勝てないような選手だった。ただただ卓球が好きだった。「子どもが朝から晩までテレビゲームをしているでしょ。あれと感覚は近い」。高校時代はほぼ毎晩11時まで練習。一浪して進学した神戸大卓球部では、日によっては午前8時から午後10時までずっと卓球台に向かっていたという。でも全国レベルで目立った成績は残していない。
大学卒業後、司法試験浪人を経…
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