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 英国で報告された変異した新型コロナウイルスが静岡県内の3人から検出されたことを受け、田村憲久厚生労働相は19日の会見で、県内のすべての感染者について検体を調べ、状況を確認する方針を明らかにした。地元の川勝平太知事は同日、独自の「感染拡大緊急警報」を出し、会話をしながらの食事や県境を越えた往来を避けるように訴えた。

 感染力が強いとされる英国の変異ウイルスはこれまで、国内では入国者の空港検疫や入国者の周辺で、約40例が確認されている。だが今回の3人は海外への渡航歴がなく、入国した人との接触も確認できなかった初めてのケースで、市中感染が起きている恐れが出ている。

 この日の会見で田村厚労相は、現時点ではほかに感染例が報告されていないことから、「静岡で(変異ウイルスが)広がっているということはない」と冷静な対応を呼びかけた。一方で、「見つかったエリアに関して、すべての検体をしっかりと調査していく必要がある」と述べた。変異ウイルスが確認されれば、感染者を隔離したり、周囲の人をたどったりして感染の拡大を防ぐ措置をとることになる。変異ウイルスでも感染防止対策は変わらないとして、マスクの着用や手洗い、アルコール消毒などの徹底を求めた。

 国立感染症研究所や東京都による分析から、現在の全国的な新型コロナの感染拡大は変異ウイルスによるものではないという。

 感染確認を受けて19日に緊急会見した川勝知事は、今回の感染は県外の感染拡大地域から来た人との会食が原因である可能性を示唆し、「仮に英国と同様に感染力が高ければ、感染者数が増加し、医療提供体制の危機になる」と述べた。

 国内で最も感染者が多い東京都では、検査で陽性となった検体に対して、独自に変異ウイルスの検査を実施している。都が14日に開いたモニタリング会議で、東京感染症対策センター専門家ボードの賀来満夫座長は「現在のところ、変異株と確定されたものは検出されていない」と報告している。(土肥修一、宮川純一)