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 新型コロナの感染拡大で、学校の部活動が大きく制限されている。茨城県内では、複数の高校のバスケット部員らの集団感染も判明。県は大会の延期・中止のほか、平日の活動にも「時短」を要請している。

 9日に始まった県内の高校のバスケット部による新人戦。17日までの土・日曜の4日間に県内5会場で、男女80チームが競うはずの大会は、初日を終えた時点で中止が決まった。

 9日夜、土浦市の私立高校の男子部員の中に、新型コロナウイルスの陽性者が出たことがわかった。陽性だった部員は事前に体調不良を訴えていたため、会場には来ていなかった。だが、大会を運営する県高体連は慎重を期し、女子も含めて翌日以降の日程を中止。結局、この私立校を中心に、感染者は他校や大会関係者50人以上に広がった。

 高体連は、出場校に2週間前から全選手の検温結果の記録を求め、「万が一」に備えて連絡先などを明記した名簿と一緒に提出してもらっていた。会場では、他校の選手との接触を極力減らすため、試合間は学校ごとに別々の待機場所を設定していた。

 高体連の担当者は「ここまでやっても感染者が出るとは」とため息をつく。昨年は5、6月の県大会や高校総体の予選が中止に。その後は感染対策に取り組む委員会も作って対策を練ってきた。今回の大会前には、チーム内で1人でも体調不良を訴える生徒が出た時点で「棄権」とする案も議論されたという。ただ、「そのやり方では、トーナメント方式の大会は難しくなる」と説明する。

 大会の中止は、今月開催予定だった高校のサッカー、ラグビー、バレーボールの新人戦にも及んだ。剣道の新人戦は、2月への延期が決まった。

 県教委は15日、県の「独自の緊急事態宣言」を踏まえ、他校との練習試合や合宿も控えるよう県立校や市町村教委に要請。普段の活動も平日限定で90分以内にとどめるよう求めた。

 部活動は昨年の全国一斉の緊急事態宣言でも大きく制限され、大会も次々に中止に追い込まれた。

 女子バレーの新人戦に出場予定だった佐和高校の中林咲弥(さよ)主将(16)は「大会に向けて先生とチーム全員で雰囲気を高めてきた。悔しいけれど、今ある環境で自分たちにできることを全力でやるしかない」と受け止める。指導する森島伸一教諭(60)は、3月に定年退職を迎え、今回の大会で、36年間のバレー指導を締めくくるはずだった。

 3年生は、例年なら最後の大会となる高校総体が中止に。約1年前の新人戦で予選敗退した悔しさを晴らす目標を、下級生に託した。普段の練習では、手を触れる機会が多い場所やボールを消毒したり、接触を極力減らしたりして練習を続けてきた。

 1、2年生は昨年末の予選を突破し、今回の県大会にコマを進めた。部活を引退した3年生の中には、裏方として試合に同行する予定だった生徒もいる。森島教諭は「最後に子どもたちと一緒に戦いたかったが、今は我慢するしかない」と心情を語った。(佐野楓、久保田一道)

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