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 かつて放映されたテレビシリーズ「まんが日本昔ばなし」の作画・演出を手がけた山梨県富士河口湖町の前田康成(こうせい)さん(71)が、「桃太郎」を題材にした創作アニメに挑戦中だ。漫画制作にもデジタル技術が広がるなか、墨と鉛筆で和紙に1枚ずつ手描きし、流行作品とはひと味違う「ぬくもり」を表現する。

 「まんが日本昔ばなし」は、ほのぼのとした作風が人気だった。前田さんは1975年から19年間放映された番組のうち、約16年間で80本の制作にたずさわり、シリーズ10周年を記念した映画「ごんぎつね」では監督も務めた。

 40年ほど前に出身地の富士吉田市の隣、富士河口湖町に移住。自宅や茅葺(かやぶ)き集落の観光施設「西湖いやしの里根場」で、墨絵や絵本を創作している。

 アニメ化するのは、2018年に前田さんが制作した絵本「約束」。だれもが知っている「桃太郎」を題材に、鬼ケ島が実は富士山だった――という筋書きにした。「自然の恵みが一番の宝。宝物を持ち帰るのではなく、残す」というメッセージを込めた。

 「いやしの里」で絵本を販売すると3千冊が売れた。手応えを感じ、19年からアニメ作品にする作業を始めた。

 徹底して手作業にこだわっている。通常は分業にする原画と動画を一人で描く。素材は手すき和紙。鉛筆と墨で描き、パステルで彩色する。約20分間の映像をつくるために2千~4千枚を描く。

 「鬼滅の刃」「進撃の巨人」など、日本の漫画・アニメ作品は社会現象になるほど人気を博している。ただ、前田さんは「描写が残酷すぎる」と感じていたという。

 「手描きの味わいを大事にしたい。ゲームの世界もそうだが、シャープなもの、殺伐としたものが多い。情緒や懐かしさを感じられるもの、50年、100年と残るものをつくりたい」

 背景画は、映画「ごんぎつね」…

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