清水謙司
奈良県高取町の佐田タカヤマ遺跡で、古代の防衛・通信施設「のろし台」とみられる遺構が見つかった。町教委が20日、発表した。のろし台は、敵の攻撃を知らせるために煙をたくところ。町教委は、白村江(はくそんこう)の戦い(663年)などの緊迫した東アジアの国際情勢を背景に、7世紀後半(飛鳥時代)以降に築かれた可能性があるとみている。
遺跡は標高約150メートルの丘陵上にある。北東約3・5キロに、飛鳥時代の皇居があった飛鳥宮跡(奈良県明日香村)があり、専門家は「飛鳥を守る施設ではないか」と指摘する。飛鳥時代ののろし台とみられる遺構が検出された例はないという。
町教委によると、遺構は直径約2メートル、深さ約2・7メートルのすり鉢状の穴。内部は黒くすすけていた。草などを燃やしていぶし、煙をはき出していた跡と考えられる。
近くには、7世紀中ごろに築かれたとみられる木棺墓の跡から土器が見つかった。木棺墓は上の部分がたいらに掘削されており、のろし台はその後の7世紀後半以降に設けられたとみられる。
のろし台の周りには直径約0・3メートルの円形の柱穴も多く見つかった。煙突や燃料倉庫だった可能性があるという。朝鮮半島の影響を強く受けたとされる「大壁(おおかべ)」と呼ばれる建物跡や、掘立柱(ほったてばしら)建物跡とみられる遺構も出土。のろし台を管理する人などが使っていたことが考えられるという。
日本は663年、朝鮮半島で唐…
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