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 道路橋の傷み具合を低費用で高精度に評価する手法を新たに開発した、と東京理科大と高速道路総合技術研究所、飛島建設、東電設計が20日発表した。高度経済成長期につくられた橋が多いため、老朽化に応じた維持管理や効率的な修繕に役立てる。

 この評価法を使えるのは、全国に約6万ある「プレストレストコンクリート(PC)」工法の橋。鉄筋コンクリートだけより強い力に耐えられるように、力を加えたPC鋼材を使っている。国内にある約15万橋(長さ15メートル以上)の約4割を占めているが、2030年すぎには建設後50年超の橋が半分以上になるとされる。

 今回の新手法は、橋の下部のコンクリートに自然にできた小さなひび割れをもとに老朽化を評価する。軽い車の走行時に閉じていたひびは、ダンプカーなど大型車が走った際に重みで開く。その開き具合を測ることで、コンクリートの強度を高めるPC鋼材にどれくらいの力が残っているかを推定する。安価な計測器を使って費用を抑えられるうえ、同じ場所で継続的に劣化状況を調べられる。実験では計測の誤差が2%以下におさまったという。

 この橋で経年劣化が進むと、PC鋼材に加えていた力が減り、最悪の場合は橋が一気に崩落する可能性もある。従来の評価手法は、コンクリート内部に切り込みなどを入れて一部を破壊して調べるため、逆に性能の一部を損ねる恐れがあった。同じ場所で繰り返し調べることもできなかった。

 この診断技術を販売する東電設計の担当者は「以前より費用を抑えられるので、橋の所有者の地方自治体などに活用してもらい、防災に役立ててほしい」と話している。(桜井林太郎)