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 台湾北部の桃園市にある病院で新型コロナウイルスの院内感染が起き、20日夕までに医師や看護師、その家族らを含む10人の感染者が確認された。当局は感染拡大を防ぐため、2月以降に予定されていた春節(旧正月)のランタンフェスティバルなどの催しを相次ぎ中止。学校の終業式をオンライン方式に変える自治体も出ている。他国と比べ感染者は少ないが、厳戒態勢の様相だ。

 院内感染が起きたのは衛生福利部(厚生労働省に相当)が運営する桃園病院。今月12日以降、米国から戻った感染者を治療した30代の男性医師のほか、看護師やその家族ら計10人の感染が確認された。当局は入院患者220人の転院を決めたほか、病院の職員427人を隔離した。国防部は19日以降、陸軍兵士を派遣して患者搬出に使った車両を消毒させる一方、ほかの兵士らに対しては、感染しないよう同市内の公共施設などへの出入りを避けるよう命じた。

 台湾は徹底した水際対策など積極的なコロナ対応で感染を抑え込み、昨年の経済成長率も2・54%のプラス成長を維持した。今回も中華圏で重視される春節を2月12日に挟む大型連休を控えながら、経済より感染対策を優先する方針は揺らいでいない。

 当局のコロナ対策本部は19日、各地で予定される春節の祝賀行事の延期や中止を要請。行政院(政府)は北部の新竹市で予定されていたランタンフェスティバルの中止を決めたほか、中部や南部の自治体も祝賀行事を取りやめた。人々が初詣に訪れる寺院でも参拝自粛を求める動きが広がっている。台湾メディアは専門家の話として、観光業の損失は100億台湾ドル(約360億円)に上ると伝えた。

 社会にも影響を与えている。新北市は20日に予定していた市内全校の終業式をオンライン方式に切り替えた。対策本部長の陳時中・衛生福利部長(大臣)は20日の会見で「感染者の人数や隔離者の規模などから、これまでで最大の危機だととらえている」と述べた。(台北=石田耕一郎)