米ワシントンで20日正午前(日本時間21日未明)、ジョー・バイデン氏(78)が第46代大統領に就任しました。一方、第45代大統領のドナルド・トランプ氏(74)はメリーランド州の空軍基地で退任式を行いましたが、バイデン氏の就任式は欠席しました。国際秩序を混乱させ、米国内の分断を深めたトランプ政権から、融和と結束を掲げるバイデン政権へ――。かつてない混迷の中で迎えた大統領交代の1日をタイムラインで詳報します。
「Celebrating America」は歌手のケイティ・ペリーさんがトリを飾り、歌に合わせて花火が打ち上げられた。バイデン夫妻はホワイトハウスのバルコニーから、真冬の夜空を彩る花火に見入った。
拡大するワシントンで20日、ホワイトハウスの上空を彩る花火=ロイター
拡大するワシントンのホワイトハウスで20日、打ち上げられた花火をバルコニーから見上げるバイデン氏と妻ジル氏=ロイター
「Celebrating America」の中でブッシュ氏(子)、クリントン氏、オバマ氏の元大統領3人がビデオ出演した。オバマ氏はバイデン氏に向けて「賛成する人の話を聞くだけでなく、賛成しない人の話も聞くべきだ」とアドバイス。ブッシュ氏は「大統領、あなたの成功を祈っています。あなたの成功は我が国の成功です」とエールを送った。
拡大する特別番組「Celebrating America」に出演した歴代3大統領。右からオバマ氏、ブッシュ氏(子)、クリントン氏=ロイター
「Celebrating America」の中で、ハリス氏が副大統領として初めて発言。「私たちは大胆かつ勇敢で野心的です。信念は曲げない」と語った。
拡大する特別番組「Celebrating America」に出演した副大統領のハリス氏=ロイター
バイデン氏の大統領就任特別番組「Celebrating America(アメリカを祝う)」がスタート。司会は俳優のトム・ハンクスさんが務め、人気歌手のブルース・スプリングスティーンさんやジョン・ボン・ジョビさん、世界的チェロ奏者のヨーヨー・マさんらが出演した。英語だけでなく、スペイン語の音楽も披露された。バイデン氏も登場し、「今日お話した通り、民主主義の尊さを再認識した。みなさんのおかげで民主主義が勝利を得た」と話した。
拡大する特別番組「Celebrating America」の司会を務めた俳優のトム・ハンクスさん=AP
バイデン新政権の巨額財政出動への期待などから、主要企業でつくるダウ工業株平均が続伸した。前日比257・86ドル(0・83%)高い3万1188・38ドルで取引を終え、史上最高値を塗り替えた。
グテーレス国連事務総長が米国のパリ協定復帰について「暖かく歓迎する 。全ての国が完全に関与することで、私たちは気候の大惨事を防ぎ、変革的な対策に着手する真の機会を得た」とツイッターに投稿した。
I warmly welcome @POTUS Joe Biden’s steps for the USA to re-enter the #ParisAgreement, the global roadmap to tackle the climate emergency.
— António Guterres (@antonioguterres) January 20, 2021
With all countries fully engaged, we have a real opportunity to prevent climate catastrophe & embark on transformative #ClimateAction.
バイデン氏の大統領就任を受け、菅義偉首相は「新大統領との関係を緊密にし、日米同盟をさらに強固なものにしていきたい」と首相官邸で記者団の取材に答えた。
バイデン氏が執務室で大統領令への署名を開始。CNNによると、最初の署名は新型コロナウイルス関連で、マスク着用の義務化を定めるものだった。地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」への復帰など計17の大統領令に署名したという。就任後2週間の時点で署名した大統領令の数を英BBCが比べたところ、オバマ氏が9、トランプ氏が8だった。
大統領執務室に入ったバイデン氏は記者にトランプ氏の置き手紙の内容について問われ、「とても寛大な内容だった。プライベートなものなので、彼(トランプ氏)と話すまで、内容は話さない」と答えた。
【現地記者から】ワシントンはまもなく、日没の時間を迎えます。就任式がいまのところ混乱なく終わり、ほっとしています。中心部には、救急車がずらり。ほとんど使われる機会もなかったとみられますが、やはり極度の緊張感の中で行われた異例の式典だったんだなと感じています。(ワシントン=藤原学思)
拡大する21日、ワシントン中心部に並ぶ救急車=藤原学思撮影
新型コロナウイルスの影響で観衆なしのパレードが行われ、バイデン氏らが乗った車がホワイトハウスに向かってゆっくりと進んでいった。途中で車を降りたバイデン氏が、沿道の記者に駆け寄ってグータッチをし、「しっかり仕事を続けて」と声をかける一幕もあった。慣例では就任式後にホワイトハウスまでの目抜き通りでパレードが行われ、沿道は毎回多くの観衆で埋まってきた。今回は、ネット上で「バーチャル・パレード」が行われ、米全土から歌やマーチングバンドなどのパフォーマンスが披露された。
拡大するワシントンで20日、大統領就任式の後に行われたパレード=AP
米大統領が交代する時、前任者が…
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朝日新聞国際報道部