トランプ氏、支持者前に「また会おう」 就任式は欠席へ

ワシントン=渡辺丘、園田耕司
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 トランプ米大統領は20日午前8時15分(日本時間同午後10時15分)ごろ、ヘリでホワイトハウスから出発した。メリーランド州のアンドルーズ空軍基地で大統領専用機に搭乗前、退任式を行い、邸宅のあるフロリダ州へ向かった。現職大統領が後任の就任式を欠席するのは、南北戦争後の1869年のアンドリュー・ジョンソン氏以来となる。

 トランプ氏は退任式で、支持者らを前に約10分間演説した。「米国は世界で最高の経済」などと実績を自賛し、「あなた方の大統領でいられて最高の名誉だった。何らかの形で戻ってくる。また会いましょう」と締めくくった。

 トランプ氏は、支持者が連邦議会議事堂を襲撃した事件を扇動したとして、13日に下院から弾劾(だんがい)訴追されており、上院での弾劾裁判が今後行われる。19日に公開した退任の演説動画では「(政治的な暴力は)決して容認されない」と語ったが、自身の責任については触れなかった。共和党上院トップのマコネル院内総務は19日、「(暴徒たちは)トランプ氏に挑発された」と述べた。

 ホワイトハウスは20日、トランプ氏がスティーブン・バノン元大統領首席戦略官=詐欺罪で起訴=ら73人に恩赦を与え、70人の刑を減刑したと発表した。トランプ氏は自身や家族らの恩赦も検討したとされるが、対象には含まれなかった。

 極右ニュースサイト「ブライトバート」の会長だったバノン元戦略官は、2016年の大統領選でトランプ陣営の最高責任者を務め、政権発足時に大統領首席戦略官に就任した。政権内の確執から17年8月に解任された後も、メディアを通じてトランプ氏を積極的に擁護していた。20年8月、メキシコとの国境の壁建設を訴える政治運動の資金集めで、多額の金をだまし取ったとして詐欺などの罪で起訴された。(ワシントン=渡辺丘、園田耕司)