地域防災の担い手に 高校生の防災士取得支援 徳島

斉藤智子
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 南海トラフ地震などの災害に備えて学校の防災力を高めようと、徳島県は「防災士」の育成講座を開いて高校生や教員の資格取得を支援している。防災士の資格を得た高校生や教員らは昨年度までに680人を超え、地域の防災の担い手としても期待されている。

 徳島ではすべての県立高校に「防災クラブ」があり、地域や学校で防災意識を高める活動やボランティア活動をしている。

 また、県教育委員会は地域防災で活躍できる人材を育てようと、2015年度から高校生らを対象に、夏休みに防災士の育成講座を開いている。19年度末までに累計605人の生徒(県立中学校を含む)が資格をとった。教員は14年度からで累計79人が資格を取得し、災害時には地域住民の避難所となる学校でのコーディネーター役も期待されている。

 今年度の講座は新型コロナウイルスの影響で開催が冬休みにずれ、1月5、6日の2日間、徳島市内で開かれた。感染防止対策で受講者を例年の半数程度に絞り、小中学校・高校・特別支援学校計16校の教員17人と、高校29校から生徒65人が受講した。

 図上演習を担当した防災士研修センターの曽根太一業務部長は、生活する地域の災害リスクを知って作戦を立てる大切さを訴え、「ハザードマップは安全を教えてくれる地図ではない」と語った。大学教員や気象予報士らは地震、津波や風水害への備え、避難所の運営協力や災害情報などについて講義した。受講後、防災士資格取得試験が実施された。

 海部高校(海陽町)の芝田穂果さん(1年)は学校の防災クラブで活動し、日頃から地域に津波や土砂災害などのおそれがあることを意識しているという。助産師を目指しており、防災の知識を将来の仕事にも役立てたいと受講した。

 芝田さんは「地域にはお年寄りの方が多いので、学んだことを自分たちの目線で伝え、少しでも多くの人を助けられるようになれたら。自分たちができることを実行できるようにしたい」と話した。(斉藤智子)