都がテレワーク推進 多摩のホテル借り上げオフィスに

長野佑介
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 新型コロナウイルス感染防止策として、東京都が企業のテレワークの推進に力を入れている。20日からは、宿泊施設の部屋を格安で提供してサテライトオフィスとして活用してもらう事業を始めた。2月7日までを「緊急強化月間」に定め、積極的に取り組む企業への支援を充実させている。

 宿泊施設のテレワーク活用事業は、多摩地域の五つの施設で各20室、計100室を用意。都内在住・在勤者が対象で、1室500円(税込み)で利用できる。勤務先の同意書などが必要で、各ホテルのホームページなどから直接予約する。

 施設のひとつ、東横INN立川駅北口では11平方メートルほどの部屋が午前8時~午後11時に利用できる。初日の20日には、立川市在住の会社員、大嶋拓人さん(34)が活用した。

 大嶋さんの勤め先は渋谷。これまで週3日のペースで自宅やカフェでテレワークをしてきたが、「がやがやすることもあって集中できない日もあった」という。「ホテルは仕事をする上で静かで快適だった。500円と値段も安いのでまた活用したい」と話した。

 東横INNの担当者によると、これまでもテレワークのために正規の料金を支払って部屋を利用する会社員もいたという。「多摩には都心に出勤する人がたくさん住んでいるので需要はもっと出てくると思う。施設の利用を通じて感染拡大防止に少しでも貢献できればうれしい」と話す。

 小池百合子知事は、今月8日の会見で「今回の緊急事態宣言の肝はテレワークの実施がどこまで徹底できるか」と強調。14、15日には東京商工会議所経団連などの経済団体ともテレビ会議を開き、推進を呼びかけた。

 都は企業に「週3日・社員の6割以上」のテレワークの実施を要請中で、ローテーション勤務などと合わせて「出勤者数の7割削減」を目指す。従業員30人以上の都内企業約400社が回答した都のテレワーク実施率調査では4月は63%だったが、その後は足踏みが続き、12月は51%にとどまった。

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 テレワークを後押しするため、都は、宿泊施設をテレワークオフィスとして利用する企業に対し、最大3カ月間で1日1室あたり3千円、1カ月あたり100万円を上限に補助する。

 また、宿泊施設がテレワーク環境を整える費用の補助も拡大。「30万円または経費の3分の2のいずれかの低い額」だったが、「50万円または経費の5分の4のいずれかの低い額」にまで増やした。

 都の担当者は「緊急事態宣言下は働き方を見つめ直す機会でもある。多くの企業でテレワークを定着させるきっかけにしてほしい」と話している。(長野佑介)