家裁「非常に凶悪、刑事処分が相当」 福岡の女性刺殺

横山翼、山野健太郎
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 福岡市の商業施設で昨年8月、女性(21)が刺殺された事件で、鹿児島家裁は20日、殺人などの非行内容で家裁送致された少年(15)を鹿児島地検に検察官送致(逆送)とした決定の要旨を公表した。「非常に凶悪な事案で、行為態様は危険で残忍。少年の責任は極めて重い」として、刑事処分が相当とした。

 家裁は決定要旨で、少年は女性の抵抗や自首を促す言葉に激高して首などを何度も突き刺して殺害したとして、「人命をあまりに軽視した甚だ短絡的な意思決定は極めて強い非難に値する」と指摘。非行には暴力への親和性のほか、共感性や想像力の著しい欠如が色濃く表れ、「再非行の可能性は非常に高い」とした。

 さらに少年が「これまで矯正教育に前向きに取り組まず、事件と向き合って反省しようとする姿勢も乏しい」とし、刑事処分で事件の結果の重大性に直面させることが、少年院送致などの保護処分よりも更生に役立つと結論づけた。

 最高裁によると、14、15歳の少年による殺人は2010~19年度に14件あり、逆送は1件のみ。13件は少年院送致だった。少年法は故意に人を死なせた16歳以上については原則逆送としている。

 女性の遺族は20日、福岡市内で初めて記者会見をした。19日に鹿児島家裁であった審判は母親と女性の兄が傍聴し、意見陳述で真実の究明を訴えた。母親は少年について「人の命を簡単に考えている印象を受けた。大人と同じように裁判を受け、ちゃんと罪を償ってほしい」と話した。

 女性が保育園で書いた作文も公表された。題は「おかあさん」。母への感謝の言葉であふれる。「読んだとき胸がきゅんとなった。かわいくてかわいくて、当時のことを今も覚えている」。右腕が不自由な母を思い、女性は「お母さんの右腕になる」と語っていたという。伯母は「周りはいつも笑い声でいっぱいだった」と振り返った。

 鹿児島地検は、少年を鹿児島地裁に起訴するか、福岡地検への移送を検討している。起訴されれば、成人と同じく裁判員裁判で裁かれる見通しだ。(横山翼、山野健太郎)