[PR]

 イタリアのコンテ首相が、政権運営で窮地に陥っている。19日に議会上院であった信任投票で、かろうじて過半数の票を得たが、安定多数には届かなかった。欧州連合(EU)の新型コロナウイルスからの「復興基金」を活用するのに必要な議会の承認が得られるかは不透明で、野党からは解散総選挙を求める声も上がっている。

 政権崩壊の危機の火種は、元々は与党内から起きたものだ。連立与党だった「イタリア万歳(IV)」を率いるレンツィ元首相が、新型コロナからの復興計画をめぐってコンテ氏と対立。同党の閣僚2人を辞任させ、連立からの離脱を表明した。

 これによって与党は上院(321議席)の過半数を割り込んだため、コンテ氏は議会の信任投票を求めた。下院では安定多数の信任を得たが、上院ではIVの大半が棄権に回り、信任は156票にとどまった。有効票(292票)の半数を上回って信任されたものの、今後は法案を通すたびに野党や無所属議員に協力を求める必要がある。

 同国メディアによると、コンテ氏は20日にも、マッタレッラ大統領と面会し、今後の政権運営について協議するとみられる。2閣僚を新たに指名して現政権を維持するか、コンテ氏がいったん辞任した上で、大統領の指名で新たに組閣する、などの可能性がある。一方で野党は、過半数の議席を持たない連立与党による政権が続くことに反発している。このため大統領の権限で議会を解散し、総選挙までの選挙管理内閣を設ける、という見方も出ている。(ローマ=河原田慎一)