菅政権発足直後に政治問題化した学術会議の人事。それは安倍政権の時代から始まっていた。官邸と学術会議がせめぎ合う中で、学術会議側が生み出したのは「1行の空白」だったのだが……。
行政を掌握し、司法にも触手を伸ばした安倍政権にとって、学術の世界もまた例外ではなかった。
2017年6月末。日本学術会議会長で東大名誉教授の大西隆は、首相官邸に「担当の官房副長官」を訪ねた。大西は面会相手を「担当の官房副長官」としか取材では明らかにしないが、同会議の複数の元幹部によると、「担当の官房副長官」は警察庁出身で官僚トップの杉田和博だった。
大西は111人の名簿を杉田に示した。会員定数は210人で任期は6年。半数が交代する3年に1度、会議側は105人ぴったりを政府側に伝え、そのまま首相が任命してきた。大西の対応は異例だった。
105人目と106人目の間に…
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