南日慶子、田中美保
ユニゾホールディングスがEBO(従業員による企業買収)の方針を発表してから1カ月ほどたった2020年1月、ある動きがあった。ユニゾの取締役14人全員に同じ文面の手紙が届いたのだ。関係者の証言や、入手した資料によると、差出人はユニゾのメインバンクであるみずほ銀行だった。
取締役たちは文面を見て驚いた。EBOを実施するなら銀行がユニゾに融資している資金を返済せよ、という趣旨の要請だと受けとめられる内容だったからだ。そのことを約束させるための「誓約書」のフォーマットも同封されていた。この誓約書の提出先はみずほ銀行だけでなく、ユニゾが取引しているすべての銀行を対象にすることを求めていた。
返済が滞ったり契約に違反したりしているわけでもないのに、メインバンクがこのような手紙を融資先の役員に送ってくることは異例である。ユニゾの経営陣からすれば、「EBOをやるな」という圧力のようにも受け取れたという。
かつてみずほフィナンシャルグ…
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