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 人の苦しみを、自分の苦しみのように受けとめる。共感と言うのは簡単だけれど、ネットを通じて非難や論破の言葉を探すことに慣れてしまうと、これほど行うのが難しいこともないように思える。

 そんな共感の「天才」だった一人の作家がいる。3年前に亡くなった石牟礼道子さん(1927~2018)。水俣病患者たちの姿を描いた代表作『苦海浄土』に取り組んだきっかけも、その苦難を我がことのように受けとめて、苦しんだからだった。

 石牟礼さんの本紙連載エッセーを担当して、熊本市の療養先に通っていた私は17年春、そこで京都女子大学准教授(作曲)の佐藤岳晶(たけあき)さんと出会った。

 パリ国立高等音楽院で作曲理論を学び、三味線なども演奏する音楽家。石牟礼さんの作品をもとにした邦楽曲を聞かせようと、和装の仲間たちと演奏に来ていた。

 昨秋、佐藤さんと京都市の法然院で久しぶりに再会した。今度は石牟礼さんの詩を歌曲にして、クラシックの新鋭と動画をつくり、その上映と、コロナ禍の中の文化の役割についてのシンポジウムを開いた。

 佐藤さんは「コロナ禍のいまこ…

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