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 現地在住の被爆者らでつくる「ブラジル被爆者平和協会」(サンパウロ)が昨年末で解散した。支援者が21日、広島市内で記者会見して明らかにした。被爆者の高齢化で組織の維持が難しくなったことなどを理由としている。

 21歳のときに広島の爆心地から1・5キロで被爆し、1956年に移住した森田隆会長(96)が1984年、「在ブラジル原爆被爆者協会」として設立し、被爆体験の証言活動や追悼行事をしてきた。ブラジル国内には現在、74人の被爆者がいるという。

 設立当時、移住や帰国などで国外に出た在外被爆者は被爆者健康手帳を取得する権利などを失っていた。このため、韓国や米国の被爆者とともに訴訟を起こし、国内外で援護を区別することを違法とする司法判断を勝ち取った。2018年には、日本国内の被爆者と同様に窓口で医療費を支払うことなく受診できるようにもなり、活動に区切りをつけることにした。

 理事を務めた渡辺淳子さん(78)は朝日新聞の取材に「協会設立当初からの悲願がかない、潮時と考えた。みんな年を取ったけど、最後の一人になるまで平和を訴えていく」と話した。

 22日発効の核兵器禁止条約についての声明も発表し、「唯一の戦争被爆国と言いながら核に頼っている事実は、世界中に生存している広島・長崎の被爆体験者にとって苦痛を伴う」と日本政府を批判した。(宮崎園子