伊藤博文が青春時代過ごした旧宅、修理進む 萩

林国広
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 初代首相伊藤博文(1841~1909)の生誕180年にあたる今年、山口県萩市椿東にある旧宅の修繕工事を市が進めている。旧宅は伊藤が青春時代の約14年間を過ごした建物で、国指定史跡。屋根の茅(かや)を葺(ふ)き替えるなどの工事を年末まで行い、工事が終わり次第、一般公開する。

 伊藤は光市出身で、1854~68年(数え年で14~28歳)、新政府に出仕するまでこの家で暮らした。萩市によると、木造平屋建てで、内部は8畳間など7部屋と玄関、台所があり、風呂や便所は別棟になっている。

 旧宅は1974年度に解体・修理したが、40年以上が経って茅葺き屋根が傷んだり、柱や梁(はり)などがシロアリ被害を受けたりしたため、昨年1月から修繕を進めている。できるだけ古材を生かす方針だ。総事業費は約4千万円で、半額を国が補助する。

 旧宅から直線距離で約150メートル離れた場所には、吉田松陰が主宰した松下村塾がある。松陰神社によると、伊藤は1857年に入塾し、延べ約2年間に渡り松陰の教えを受けた。63年には長州ファイブの一員として渡英した。

 萩博物館の道迫真吾・総括学芸員によると、伊藤は生前、松陰のことを多くは語らなかったが、松陰神社建立の発起人になるなど、松陰の影響を受けた。「旧宅が松下村塾から遠い場所にあったら、伊藤は松陰と出会わなかったかも知れない。あの場所に住んだことは伊藤にとっても大きな意味がある」と話す。(林国広)