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 デジタル端末の普及に伴い、子どもの視力が悪化しているのでは――。21日に参院本会議で行われた代表質問では、元教員でもある立憲民主党の水岡俊一参院会長がそんな懸念を示し、小中学生に1人1台の端末を整備する政府の「GIGA(ギガ)スクール構想」を慎重に進めるよう求めた。

拡大する写真・図版参院本会議で質問する立憲民主党の水岡俊一氏(手前)。中央奥は菅義偉首相=2021年1月21日午前10時24分、恵原弘太郎撮影

 水岡氏は兵庫県の中学校やインドの日本人学校で教員経験がある。

 代表質問では文部科学省の調査結果を引用し、この40年ほどで視力1・0未満の子どもが、小学生で2割弱から3割強に増えたほか、中学生で3割強から6割弱に、高校生も5割強から7割弱に増えたと指摘した。

 「いまの子どもたちはゲームや動画などデジタル端末に触れる機会が増えている」と述べ、「PCやタブレットを使った授業は注意しなくては、近視を増やすことにつながる」と訴えた。

拡大する写真・図版配られたタブレット端末を開き、使い方を教わる児童ら=2021年1月13日午前10時10分、田川市の大藪小学校、遠山武撮影

 そのうえで、今年度中に全国の99%以上の自治体で「1人1台」の導入が見込まれる「GIGAスクール構想」をふまえ、子どもの視力悪化やデジタル端末への依存症について問題意識と対策をただした。

 菅義偉首相は「教育現場においてICTの活用を進めるにあたっては、児童生徒の健康面にも留意することが重要だ」とし、「端末を使う機会が増えるなかで、今後、児童生徒の視力と日常生活との関連について文科省で調査研究を行い、ICTの活用に関するガイドブックにも反映をしていく」と答弁した。

拡大する写真・図版参院本会議で立憲民主党の水岡俊一氏の質問に答弁する菅義偉首相=2021年1月21日午前10時38分、恵原弘太郎撮影

 水岡氏は質疑後、朝日新聞の取材に「コロナ禍でオンライン授業など端末を使った教育の必要性は否定しない。ただ、デジタル画面を見るだけでは十分な理解につながらない。学習の基本は実際に手を使って書くことだと思う」と指摘する。

 「大事なのは従来の学習方法とのバランスだ。整備を急ぐのであれば、端末をうまく使う仕組みをきちんと考えていかなければならない」

 一方、水岡氏は同日の代表質問で、コロナ禍で困窮する学生支援についても取り上げた。

 NPO法人が大学の授業料免除や奨学金制度などの情報をまとめた冊子を高校などに配布している事例を挙げ、「支援の情報は周知徹底を図るべきだ。このような教育資金に関する情報提供の事業を、国として行うつもりはあるのか」と問いかけた。

 首相は「インターネットを通じた広報や大学での説明会の開催など周知徹底に努めていく」と答弁した。(小林豪)