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 少人数編成の重奏で、技術や表現力を競う第55回富山県アンサンブルコンテスト(県学校吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)が23日、始まる。小学校~職場・一般の各部門に計77団体が参加を予定している。この1年、新型コロナ禍で多くのコンクールが中止され、心待ちにしていた発表の場。演奏者の胸は高鳴る。

 高岡市立戸出中は1年生2人と2年生3人の打楽器五重奏で県大会に挑む。

 メンバーは全員、中学校に入学してから初めて、マリンバやティンパニなどを演奏した。マリンバは片手で2本のマレット(ばち)を使うこともあり、当初は苦労が絶えなかったという。それでも、手をマメだらけにして練習に励んだ。顧問の大門尚教諭(30)は「素直に努力する才能で結果を出した」とねぎらう。大門教諭自身が同校の卒業生で、18年前には部員として県大会に出た経験があるという。

 演奏するのは、J・グラステイルの「エクリプス・ルチア 5人の打楽器奏者のために」。静と動、緩と急が特徴的な曲だ。

 パートリーダーの常木楓夏(ふうか)さん(2年)は、「変化するテンポを共有するのに苦労した。予選での演奏は100点満点の75点。もっと練習が必要」と気を引き締める。

 練習の成果を発表する貴重な機会。常木さんは「何よりも聴いてもらえるのがうれしい」。メンバーも全員が「結果よりも、人に感動してもらえる演奏をしたい」と口をそろえた。(木村聖)

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 富山工業高のサクソフォン八重奏は、県大会初挑戦だ。

 1年生4人と2年生4人が演奏するのは、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」。通常は弦楽器で演奏される名曲を、サックスだけで表現しなければいけない。この曲を何度も演奏してきた東京芸大院のバイオリン専攻出身の顧問、中西美絵教諭(46)が指導に当たり、CDと自分たちの録音を何度も聴き比べた。

 パートリーダーの堀井夕月羽(ゆづは)さん(2年)は「弦楽器の柔らかく、滑らかな音にいかに近づけるか、苦労しました。息の出し方、おなかの微妙な力の入れ具合なんです」。柔らかな音だけでなく、サックスならではの力強さも加えることができるようになり、富山地区代表を勝ち取った。

 新型コロナの影響で昨年、演奏会は半減し、コンクールも軒並み中止に。何のために練習しているのかと、焦燥感に駆られたこともあったという。

 そうした時期を経て、堀井さんはいま思う。「当たり前に演奏できることがいかに幸せなことだったか。演奏の機会を頂けることが心からうれしい」。感謝の思いを込め、圧巻の演奏を響かせる。(田島知樹)

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