もし誰かが倒れていたら… 歌動画でポップに救命法紹介

大西明梨
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 福井県鯖江市出身の3兄妹バンド「一途」が、心肺蘇生法や自動体外式除細動器(AED)の普及を目指して作った歌「もしも誰かが倒れていたら」の動画をユーチューブで公開した。子供にもこのポップス調の歌に興味を示してほしいと、アメリカン・コミックス風のイラストを動画に取り入れ、メンバーは「誰かを助けるヒーローになってほしい」と期待している。

 一途は2008年に結成。主にベース担当の長男・くまちゃん(50、本名鈴木幸一さん)、作曲やボーカル、ギター担当の次男・どんちゃん(48、鈴木洋さん)、作詞やパーカッション担当の長女・みっこちゃん(45、青木美智子さん)の3兄妹が、全国の小中学校などで計650回以上公演を行ってきた。

 一途が作る歌の共通メッセージは「命の大切さ」だ。くまちゃんやどんちゃんが学生時代にいじめにあった経験などから、いじめや自殺防止がテーマの歌詞にポップスやバラードの曲を乗せ、メッセージを届けている。

 15年末、心肺蘇生法の普及などについて独自に講演活動を行っていた、福井市小児科医・平田善章さんから「小学生の力でも心臓マッサージはできる。子供たちに救命への意識を高める曲を作って欲しい」と依頼があった。そこで、みっこちゃんが平田さんへの取材や消防署の救命講座を受けた経験などを参考に、心肺蘇生のやり方やAEDの使い方を具体的に歌詞に盛り込んだという。

 歌詞は「起きないときは大人を呼ぼう」「AEDも探してこよう」と救命の準備から始まる。続いて「腕をのばし 両手を重ね 胸の真ん中強く押す!」と心肺蘇生のやり方を解説。「AEDのパッドを出して 胸の左上右下に」とAEDの使い方も紹介している。どんちゃんがポップス調に仕立て、「プッシュ!×3 このリズムだよ」という歌詞では、実際に推奨されている心臓マッサージのリズムを取り入れた。

 歌は16年12月に完成し、学校のライブなどで披露してきた。今回の動画は、「ユーチューブ好きな子供たちに動画で届けたい」という3人の思いに共感したクリエーティブ会社「KASIKA」(大阪府)の協力により、形になった。

 動画に取り入れたイラストは、主人公の子供が、倒れたスーパーヒーローを心肺蘇生やAEDで助ける物語。どんちゃんは「子供たちには人を助けるヒーローになってほしい」と話す。今回のボーカルは闘病経験があり、「この曲への思い入れが人一倍強い」というくまちゃんが特別に務めた。「身近な人が突然倒れることを想像し、救命を自分事にとらえてほしい。誇りの一曲です」とくまちゃんはいう。

 動画は一途のユーチューブ(https://www.youtube.com/user/1zujp別ウインドウで開きます)から。一途の曲は全て使用許可が不要で、学校での救命講座などに役立ててほしいという。問い合わせは、一途の事務所(0778・42・7001)。(大西明梨)