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 岡山県倉敷市真備町内で展示され、2018年7月の西日本豪雨で被災した油絵の修復が完了し、最後の1点が21日、吉備国際大文化財総合研究センター(高梁市)から倉敷市へ返還された。30日に元の場所で再開する市立真備図書館(真備町箭田)で展示される予定。

 修復されたのは井原市出身の洋画家・片岡銀蔵(1896~1964年)の油絵「裸婦」(54年)。豪雨で水没し、絵の具がはがれるなどしていたため、市がほかの油絵2点とともに修復を依頼していた。2点はすでに修復を終えて返却され、損傷の大きかったこの作品が最後となった。

 梶田貴代・倉敷市立中央図書館長は、真備図書館の蔵書のほとんどが流されたことなどを振り返り、「この作品は館に被災前からあるほぼ唯一の貴重な存在。地元の人々を元気づけ、復興の後押しになるのでは」と語った。

 作業に携わった準研究員の影山千夏さん(52)は「泥まみれのひどい状態から美しさを取り戻した。『家』へ帰った彼女にまた会いに行きたいです」と笑顔で話した。(菅野みゆき)

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