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 新型コロナウイルスに感染し、入院やホテル療養が必要とされた「自宅待機者」が県内で20日現在2286人となり、1カ月で4倍に急増した。県は血液中の酸素飽和度を測り、肺炎の判断につながる「パルスオキシメーター」の貸し出しを拡大し、自宅での容体急変に備える。

 自宅待機者が急増した背景には、コロナ病床の不足がある。20日現在の即応病床の稼働率は68%(975床で663床利用)。空き病床は312床で、2千人規模の自宅待機者には十分とは言えない状況だ。即応病床のうち重症者用は稼働率76%(66床で50床利用)で、さらに逼迫(ひっぱく)している。

 県によると、①病状②年齢③基礎疾患の有無――などの条件から、入院の優先順位をつけている。

 18日に自宅待機者として県内で初めて死亡した人は60歳未満(性別非公表)だった。11日にせきやのどの痛みの症状があり、軽症での感染が判明。16日に症状が悪化し、健康観察をしていた保健所は入院が必要と判断したが、重症度や年齢などから優先順位は高くなかったといい、待機が続いていた。18日に容体が急変したという。

 県は、昨年12月下旬からパルスオキシメーター1千個を自宅待機者や無症状などの「自宅療養者」に貸し出し、健康状態を把握してもらっている。ただ、亡くなった自宅待機者は当初軽症だったことなどから、渡されていなかったという。今後はより多くの容体急変者にも対応するため、2千個を追加する。

 森田健作知事は21日の定例会見で、亡くなった自宅待機者への対応について「保健所が本人に毎日、健康状態を確認し、入院調整するなどできる限りのことはしてきた」と述べた。今後、パルスオキシメーターの貸し出しを拡大することで「相当数、助かるんじゃないか」とも話した。

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 自宅待機者の急増に対応するため、県は22日から病床確保計画を全県で最大のフェーズ4に引き上げ、1088(うち重症者用77)病床を確保する。

 森田知事は会見で「緊急事態宣言の効果はいまだ見えず、危機的状況だ」としたうえで、「これまでコロナ患者を受け入れていない病院を含めて、協力をお願いする」とさらにコロナ病床を増やす姿勢を示した。

 県によると、現状でコロナ病床を用意しているのは、県内で入院可能な約290病院のうち60病院程度にとどまるという。県は国の支援策などを説明し、協力病院を増やしたい考え。

 ただ、新型コロナ以外の治療に影響が出る可能性もあるほか、県の担当者は「(コロナ病床のない)民間病院には対応できるスタッフが限られている現状もある」という。森田知事は「ここまできたら、何がいいのか暗中模索だ」と語った。(上田雅文)