現場の窮状を知事に訴え 新型コロナで市町首長ら

新型コロナウイルス

滝坪潤一、天野剛志
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 新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態が宣言される中、兵庫県と41市町の首長による意見交換会が21日、県公館で開かれた。首長たちは、感染者の自宅待機が増え続ける現状や、深刻な観光業への危機感を訴えた。

 県によると、病院か宿泊施設での療養を待つ自宅待機者は783人(20日現在)。井戸敏三知事は、病床や療養できる宿泊施設の上積みに努めているが、限界があると発言。軽症や無症状の感染者には「自宅待機をお願いしたい。パルスオキシメーターを使って健康管理をし、すぐ駆けつけられる態勢をつくる」と話した。

 パルスオキシメーターは指先で血液中の酸素飽和度を測る機器で、呼吸の状態を知ることができる。新型コロナの感染者は酸素飽和度が下がっても息苦しさなどの自覚症状が出ず、一気に重症化する場合があるとされる。貸し出すか、医療スタッフが巡回して測るかは対策本部会議で決める。

 西宮市石井登志郎市長は「自宅待機に知事が言及してくれた。数週間前を思うと、豹変(ひょうへん)してくれてありがたい。財政面の支援や医師会、訪問看護ステーション連絡協議会への協力依頼を早急にお願いしたい」と述べた。

 主要産業である宿泊業の苦境を訴えたのは豊岡市の中貝宗治市長だった。「城崎温泉は残っている予約がわずか5%。夜も人っ子ひとり歩いていない」。緊急事態宣言が明けて「Go To キャンペーン」が再開されるまでの間、例えば但馬地域の人が但馬に宿泊する際の割引などを県と実施できないか、提案した。

 明石市の泉房穂市長は民放の番組に出演し、重症病床の確保は県の権限と指摘したうえで、「重症者への対応をしっかりしてほしい。明石では重症患者を県に断られて、やむなく市民病院で人工呼吸器の対応を始めている」と訴えた。(滝坪潤一、天野剛志)

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 兵庫県内が新型コロナウイルス緊急事態宣言下に入って20日で1週間。感染状況を示す各指標の変化をみると、横ばいか上昇傾向だった=表。

 感染から発症までは平均4~5日とされ、緊急事態宣言の効果が出てくる頃だが、新たな感染者数の高止まりは続く。

 10万人あたりの療養数は目立って増えた。特に自宅待機者は13日の493人から20日は783人に急増した。

 県は不要不急の外出自粛や出勤抑制を呼びかけているが、人出もほとんど減っていない。ソフトバンク系列の「アグープ」によるスマートフォンの位置情報を利用した解析によると、宣言前の13日と比べ、20日の三ノ宮駅周辺の人出(1時間平均)は1・5%減にとどまった。西宮北口駅周辺でも1・2%減だった。

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 県内で21日に発表された新型コロナウイルスの新たな感染者は237人だった。これで県内の感染者は再陽性も含めて1万4713人になった。死者は計10人。神戸市は50代~80代以上の6人、姫路市は年齢・性別非公表の3人、尼崎市は80代男性の1人だった。

 県発表の感染者のうち居住市町が公表されたのは、加古川、高砂各7人、宝塚5人、芦屋4人、伊丹、三木、姫路各2人、川西1人。

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