「アイス泥棒した」執拗な暴力、気絶後の生徒にも柔道技

有料会員記事

森下友貴
[PR]

 兵庫県宝塚市の中学校で昨年9月、「アイスキャンディーを無断で食べた」として柔道部顧問の男が1年生の部員2人に柔道技をかけ、重軽傷を負わせたとされる事件の初公判が21日、神戸地裁であった。指導をかたった一方的な暴力だったことが明らかになった。

 宝塚市立長尾中学校の柔道部顧問だった元教諭、上野宝博(たかひろ)被告(50)=懲戒免職。起訴内容を認め、検察側は懲役2年を求刑した。

 昨年9月、同校の武道場で、1年生の男子部員に足払いをかけて床に打ち付けるなどして背骨を圧迫骨折させたほか、別の1年の男子部員にも寝技をかけて足などに軽傷を負わせたとして、傷害罪で起訴された。

 初公判での検察側の冒頭陳述や被害部員2人らの調書などから、執拗(しつよう)な暴行が浮かんだ。

 上野被告は事件前日の部活を終えた後、武道場の冷凍庫のアイスキャンディーが足りないことに気づき、翌日に部員たちから聞き取りをした。

 1年生部員が無断で食べたと認めると、上野被告は胸ぐらをつかんで「バトルするぞ」。立ち技や寝技を繰り返し、部員が気絶してもほおをたたいて起こし、技をかけ続けた。部員は3回謝ったが許してもらえず、裸足で武道場を出て、そのまま帰宅したという。

 この光景を見て、もう1人の1年生部員も名乗り出た。自分も柔道技をかけられるのが怖くなり、抵抗したが威圧された。その後、眼鏡を外して寝転ぶように言われ、寝技をかけられた。

 副顧問もその場にいたが、「(上野被告は)今までで最も怒っていた。寝技も高度で危険性が高かった」と話したという。副顧問も暴力を止めることはできなかった。

 被害者の部員2人は入部間もなく、柔道はそれまで未経験だった。背中を骨折した部員は今も座り続けることができず、もう1人も首の痛みが引かないという。検察側は「教師でありながら怒りを制御することなく一方的にぶつけた」と指摘した。

被告「勝手に食べたことは泥棒。厳しめに指導した」

 宝塚市教育委員会によると、重傷を負った部員の保護者から抗議を受け、上野被告は事件当夜、保護者宅を訪れた。

 初公判では、この時について…

この記事は有料会員記事です。残り875文字有料会員になると続きをお読みいただけます。