「五輪中止と結論」英タイムズが報道 日本政府は否定

遠田寛生=ロンドン、小野太郎
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け懐疑論が出ている今夏の東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開催について、英紙タイムズは21日、「日本政府は非公式ながら中止せざるを得ないと結論づけた」と報じた。面目を保ちながら中止を発表する段取りに水面下で動いており、開催都市が決まっていない2032年夏季五輪開催への立候補を目指すとしている。

 情報源は匿名の「連立与党幹部」。タイムズのインタビューに「誰も最初に言い出すことを望んでいない。だが、開催は難しいという意見で一致している」と答え、中止になる見通しを語ったという。

 理由については日本国内の機運が高まっていない影響も掲げる。仮にジョー・バイデン米大統領が米国の選手団を派遣しないと表明すれば、「開催は無理」と打ち出す可能性を指摘した。夏季五輪は24年がパリ、28年はすでに米ロサンゼルスに決まっているため、25年までに開催地が決まりそうな32年五輪に動くと予想。この与党幹部によると、菅義偉首相はあまり乗り気ではないが、「この状況ならば誰も反対しない」と、11年後を目指す方向に進むとしている。

 一方、日本政府は22日、この報道内容を否定した。坂井学官房副長官は閣議後の記者会見で、タイムズの報道について「そのような事実はない。きっちり否定をさせていただきたい」と述べた。「今年夏からの大会の成功に向け、政府としては一丸となって準備に取り組んでいる」と強調した。

 ただ、坂井氏は開催を前提としながら、「海外の状況もある。どこかの段階で実際に開催するかどうかの判断を行う」とも語った。

 橋本聖子五輪相も会見で、「政府としてはこの夏の大会の開催に向けて全力を尽くす」と述べた。タイムズの報道については「そういう報道があったことは承知しておりません」とした。(遠田寛生=ロンドン、小野太郎)