核禁条約発効、被団協が集会 政府に批准を求める

黒田壮吉
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 日本原水爆被害者団体協議会日本被団協)は22日、東京・永田町の議員会館で核兵器禁止条約の発効を記念する集会を開いた。被爆者らは「歴史の中に明記される日になる」と喜ぶ一方で、「発効で核兵器がなくなるわけではない。廃絶に向けては道半ば、さらなる努力が必要だ」と訴えた。

 集会では、国連の軍縮部門トップの中満泉事務次長が「被爆者の証言は条約の背後にある道徳的な原動力となってきた。発効をもち、条約は、広島と長崎の悲劇を繰り返さないという新たな決意の象徴となる」とメッセージを寄せた。

 日本被団協代表委員の田中熙巳さん(88)は「核兵器が違法化されたことは喜ばしい。これまでにたくさんの仲間が亡くなったが、廃絶までの半分は成し遂げたよ、と報告したい」と語った。

 集会では、各政党の国会議員らと意見交換し、日本政府が署名、批准するように尽力することも求めた。

 日本被団協の木戸季市事務局長(81)は「唯一の被爆国を自称する日本政府が反対しているのは理解できない。条約について、国会で審議し、被爆者にも意見陳述する機会を作ってほしい」と訴えた。

 一方で、出席した外務省は、核開発を続ける北朝鮮などを念頭に、「安全保障環境が一層厳しさを増すなか、条約に署名する考えはないが、立場の異なる国々の橋渡しにつとめたい」と従来の主張を繰り返した。

 東京の被爆者団体「東友会」は、条約発効に合わせ、都内の被爆者らにメッセージを募った。

 被爆者133人からメッセージが寄せられ、「唯一の被爆国でいまだにその影響で苦しんでいる人が大勢いる。日本は真っ先に条約に賛成するべきではないのか」(77歳男性)「(米国の)『核の傘』から抜け出し、核武装しないことを核保有国に申し入れる努力をすることが橋渡しの最初の一歩だ」(80歳男性)など、条約を署名・批准していない日本政府を批判する声が多かった。

 同団体で相談員を39年務める村田未知子さん(69)は「被爆者は高齢化し、直接声を上げるのが難しいが、多くの人が国の姿勢に疑問を感じている。政府は、被爆者たちの願いに耳を傾けてほしい」と話した。黒田壮吉