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ハゲタカと戦った328日⑦

 ユニゾホールディングスは、みずほ銀行からの融資の全額返済の要求を受け入れなかった。ユニゾの取締役会は、従業員による企業買収(EBO)を計画通り進めることを確認した。

 2020年3月、ユニゾには追い風も吹き始めていた。ユニゾ株を買い進めている投資ファンドのなかで最も手ごわい相手と見られていたエリオットが「ユニゾのEBO案に協力する」と言ってきたのだ。

 「物言う株主」とされてきたエリオットが、投資先企業の株式売却計画に協力するのは珍しい。協力に転じた理由はいくつかあげられる。

 まず、ユニゾのEBO計画が企業統治のルールにかなっている、とエリオット側が判断したと考えられることだ。米国には企業買収をめぐる裁判例をもとにした「レブロン基準」というルールがある。会社を売却する際の取締役会の義務は「株主利益の最大化」であり、取締役たちが保身を目的に経営判断してはいけない、というものだ。エリオットはこのルールに沿っているかどうかを見極めようと、裁判所を通じてユニゾから取締役会議事録を取り寄せ、検討していたようだ。

 関係者や入手した資料によると、大手旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)の買収提案に対する防衛方針を決めた19年8月16日のユニゾ取締役会で、社長の小崎哲資(69)はこんな発言をしていた。

 「HISの株式公開買い付けを止める手立てはない。かといって経緯からいってもHISとは組めない。ホワイトナイトを探すしかない。ただし、対抗手段としてMBO(経営陣による買収)は検討しない。我々の保身が目的とみなされれば、取締役の善管注意義務に反する行為とみなされる恐れがあるからだ。皆さんも自分の利益は考えずに判断してほしい」

 小崎はこのとき、取締役全員に辞める覚悟も求めていた。エリオットはこうした議事録を確認していたとされる。

新型コロナウイルスの猛威

 もうひとつ、エリオットが対応…

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