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 新型コロナウイルス感染拡大を受け、東京都が一部の病院を「コロナ専門」にしたことで、妊婦が転院を余儀なくされた問題について、立憲民主党の田名部匡代氏が22日の参院本会議で質問した。「コロナ禍で少子化が加速するのではないか」と懸念を示し、転院する妊婦に追加の費用負担が生じないよう、国が支援することを求めた。

 東京都は14日、都立・公立の3病院を、感染者を重点的に受け入れる「コロナ専門病院」にすると表明した。都は転院する妊婦らに費用の差額分を支援する方針を明らかにしている。

 田名部氏は22日の代表質問で、「妊婦をはじめ3病院に通院・入院している患者は転院を迫られ、今後の受診・治療や追加の費用負担などに大きな不安が生じた」と指摘した。

 その上で、「今後二度と同様の事案を引き起こさないよう、国として転院の追加負担を患者に求めないことを速やかに決定し、自治体に財政支援することを強く求める」と述べ、政府に対応を迫った。

 これに対し、菅義偉首相は「ご指摘のケースは、東京都が病床確保を図るなかで、都立病院を新型コロナの対応に重点化し、入院患者を転院させることで生じた問題であり、自治体で対応されるのではないかと考える」と強調した。

 さらに「国としては地方創生臨時交付金により、自治体のさまざまな取り組みを支援をしている。こうした交付金の活用も可能である」とも述べ、あくまで自治体で対応するものだとの考えを示した。

 質疑後、田名部氏は朝日新聞の取材に、「自治体でやればいいとなると、サービスに差が出て、全体的な不安の解消にならない」と語った。

 「安心して子どもを産み育てられる環境を、国が責任を持ってつくることが大事だ。少子化が問題になっているなかで、『それぞれの自治体で』という答弁にはとてもがっかりした」

 立憲は15日、妊婦をはじめ、入院・通院患者が転院を強いられた場合、追加費用を患者に求めないよう、田村憲久厚生労働相に要望書を出した。

 国による財政支援のほか、速やかな転院先の決定、担当医が変わることでの患者の精神的ケアなどを要求。「都立病院の事案は氷山の一角で、より深刻な危機を迎えているのは地方だ」として、「必要な支援を速やかに行い、地方の医療体制を守ること」も求めている。(小林豪)

拡大する写真・図版参院本会議で代表質問をする立憲民主党の田名部匡代氏=2021年1月22日午後2時22分、恵原弘太郎撮影