凍りついた「乙女の涙」に出会った 厳冬期の知床

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神村正史
【動画】凍結して輝く知床の滝「乙女の涙」=神村正史撮影
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 厳冬期の北海道東部、世界自然遺産・知床。真っ白な森を抜け、雪原を歩いたその先で息をのむ光景に出会った。「乙女の涙」との異名を持つ滝が凍りつき、オホーツク海に面した断崖絶壁の一部が彫刻芸術のような雰囲気を醸し出していた。

 滝の名は「フレペの滝」という。知床半島の北西側の斜里町にある。流れ込む川がない不思議な滝。高さ約100メートルの断崖の頂の少し下から海へ注ぐ。上流にある知床連山最高峰の羅臼岳(標高1661メートル)などに降った雨や雪解け水が、地下水となって流れてきて、断崖からしみ出している。水量はそれほど多くなく、しとしとと静かに流れ落ちる様子がまるで「乙女の涙」なのだ。

拡大する写真・図版凍りついて氷瀑になった「フレペの滝」。岩肌を注視すると、しとしとと流れ落ちる「乙女の涙」が見えた=2021年1月18日、北海道斜里町、神村正史撮影

 冬、最低気温が零下10度を下回る日が珍しくない知床で、「乙女の涙」は冷たい風に巻き上げられながら少しずつ凍り、氷瀑(ひょうばく)へと成長する。針葉樹の枝葉、魚のヒレ――。様々に見える。知床の環境教育などを手がける知床財団によると、この冬も昨年末には凍りついたという。

 厳冬期の知床ではほとんどの…

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