第9回争奪戦でもうけたのは誰か 株式市場の課題あらわに

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南日慶子、田中美保
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ハゲタカと戦った328日⑨

 ユニゾホールディングスの株式の争奪戦は、旅行会社や複数の投資ファンドが入り乱れる異例の経過をたどった。国内の上場企業では初の大規模なEBO(従業員による企業買収)も行われた。企業のM&A(合併・買収)においてエポックメイキングとなった今回の争奪戦における「勝者」は誰だったのか。それを考えると、日本の企業や株式市場が抱える問題も見えてくる。

 最ももうけたのは、EBOに協力した米投資ファンドのローン・スター・グループだろう。ユニゾ社員たちの買収資金を用意したことで、ざっと500億円規模の利益を得たと見られている。

 「物言う株主」とされる米投資ファンドのエリオット・マネジメントも、ユニゾ株を安値のうちに買い集め1株6千円でEBOに応じたことから、100億円規模の利益を得ている可能性がある。

 最初にユニゾ買収に乗り出した旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は、ユニゾ株が1株2千円前後だったときに購入していた。買収はかなわなかったが、購入した株を市場で売り、29億円の利益を得たと公表している。

 争奪戦の過程で株を買った複数の投資ファンドも、価格が上昇したタイミングで売っておりそれなりの売却益は得ているだろう。

 一時は敵対的買収に乗り出す姿勢を見せ、ホワイトナイトになりかけた米投資ファンドのブラックストーンは、ユニゾ株は買わなかったとみられる。

 一時はホワイトナイトの立場にありながら、その後ユニゾと対立した米投資ファンドのフォートレスはどうか。ユニゾがフォートレスに契約解除に伴う違約金13億円を支払ったことが明らかになっている。

 利益を求めて企業買収に乗り出す投資ファンドは企業から恐れられ、ときに「ハゲタカ」と呼ばれる。そのなかでも、ユニゾ争奪戦では明暗が分かれた。

■敗者と勝者の差はどこに…

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