選挙権なくても、次の一票へ 東桜学館高生が校内放送

鷲田智憲
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 選挙権年齢が18歳に引き下げられ、18歳、19歳にとっては県のリーダーを選ぶ初めての機会となる今回の山形県知事選。そんな選挙により関心を持ってもらうためには――。22日昼、東桜学館高校(東根市)の生徒たちは、家族と一緒に投票所に行くことなどを校内放送で呼びかけた。

 放送2日前の20日夕、同校の生徒会役員6人が教室に集まった。知事選についての校内放送を任され、その内容を話し合うためだ。今年度で18歳の3年生は受験などでほとんど登校しておらず、選挙権がない1、2年生向けの放送になる。

 「家で新聞を見て選挙があることは知っているけど、みんなはどうかな」

 生徒会長の青柳匠朗さん(2年)が切り出した。

 副会長の伊藤南奈子さん(2年)は「選挙の話題は硬いよね」。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大や地方回帰の動きから、県政は生活などに「より深く関わってくることになるんじゃないかな」。もう一人の副会長、奥山晃希さん(2年)はまだ選挙権がなくても、考えることは大切だという。「また4年後に知事選はある。今回訴えた内容を知っておくことで、公約が達成されたかを測ることができる」と話した。

 この日の話し合いで、放送では選挙権がない生徒たちにも知事選に関心を持ってもらうため、家族と一緒に投票所に行くことなどを勧めることにした。

 放送当日の22日昼。

 「政治は知らない誰かが行うのではなく、選挙を通してみんなでより良くしていくものです」

 青柳さんは放送室から、校内の1、2年生約340人にこう語りかけた。知事選を政治や選挙について考えるきっかけにしてほしいと提案しつつ、「投票所に行けば、何か面白い発見があるかもしれません」と呼びかけた。放送を聞いた生徒からは「投票所に行けることは知らなかった」、「候補者がどんな政策を掲げているか調べてみたい」といった声も上がった。

 青柳さんは話し合いや放送を通じて、選挙で自分たちの考えを政治に伝える大切さを改めて認識したという。「これから山形で生きていく私たちにとっては重要。もうすぐ18歳になるので、日頃から政治に関心を持っていきたい」と話していた。(鷲田智憲)

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 選挙権年齢は2016年に改正公職選挙法の施行で「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられた。

 県選挙管理委員会によると、17年の総選挙の県内の投票率は64・07%、19年の参院選は60・74%と、いずれも全都道府県で最も高かった。一方で、県内の18、19歳の投票率は総選挙で47・24%、参院選で36・83%と、ほかの世代と比べて低調だった。