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 疫病退散の妖怪アマビエ、ミュージカルのキャッツの猫など、多様なデザインが特徴の宮城県白石市発祥の「新型こけし」が後継者不足に悩まされている。かつて350人ほどいた工人は現在、数人まで減った。窮地に立つ、こけしづくりを応援する動きが出ている。

 取り組んでいるのは、同市の「ゆこけし研究所」。佐々木義彦代表(64)は「世界の工芸品に匹敵する」と話す。その魅力を広く紹介するためにクラウドファンディング(CF)で協力者を募っている。

 佐々木代表が新型こけしに出会ったのは3年ほど前。趣味のギターサークルの記念品として、「ギターの先生」のこけしを、工人の佐々木功さん(60)に依頼したのが始まりだ。独特な形や色使いに「こけしにこんな可能性があったのか」と驚き、魅了された。

 40年近く製造業で勤務し、産官学連携などに携わった佐々木代表は定年退職後の昨年9月、同研究所を設立。縁がある功さんの「佐々木こけし工房」と協力して、素材や製法の改良などに取り組んできた。

 佐々木代表によると、白石の新型こけしは1946年に始まったとされ、師匠から引き継いだ様式を守る「伝統こけし」とは異なり、独創的なデザインを採り入れるのが特徴。55年ごろには、約50軒の工房に約350人の工人や従業員がいたが、弟子をとらず、後継者がいなければ廃業してしまうことが多いため、今は本格的に製造を続けるのは佐々木こけし工房のみに。作り手も功さん夫婦ら数人という。

 佐々木代表は「他の工芸品に比べ、これまで安く売られすぎた。新型こけしの地位と知名度をあげたい」との思いで、昨年12月にCFを始めた。支援額に応じて、佐々木こけし工房の猫のこけし(高さ14センチ)などを返礼品として送る。

 集まった支援金のほとんどを返礼品代に使用する。まず新型こけしの知名度を高めて全国にファンを増やし、ブランド化につなげる。そして新型こけしづくりをより魅力ある仕事にしていきたいという。

 功さんは「木の肌触りにもこだわった。ぜひ棚に飾るだけではなく、手にとってみてほしい」と話している。

 支援は26日まで、CFサイト「CAMPFIRE」(https://camp-fire.jp/projects/view/344397別ウインドウで開きます)で受け付ける。問い合わせは「ゆこけし研究所」(090・5354・4390)。(申知仁)