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 コロナ禍で家庭用ゲーム機やソフトが大ヒットして「巣ごもり消費」の恩恵を受ける中、「おうちでじっくり遊べる」ボードゲームやカードゲームが静かに注目を集めている。外出自粛で遊びに出かけられなくても子どもから大人まで楽しめる「アナログ」の価値が見直されているようだ。

 「ボードゲームの売れ行きは数年前から緩やかに伸びていたが、ここ1年ほどでさらに勢いが増した」。そう話すのは、前橋市千代田町2丁目の老舗玩具店「黒田人形店」の社長、黒田好一さん(69)。

 10年ほど前は平均すると週に数個だった売り上げが2倍近くに増え、毎日のように売れる。国内で新型コロナウイルスの感染が初めて確認された約1年前と比べても2~3割は伸びている実感があるそうだ。

 妻の桂子さん(63)は「家庭用ゲーム機のようにテレビCMが放映されない分、マイナーな存在だったけれど、最近はスマートフォンなどで遊び方の動画が見られるようになり、関心を持つ人が増えてきた」。

 店内には「人生ゲーム」や「UNO(ウノ)」などの定番に加え、海外の新しいカードゲームも含めて500種類以上が並ぶ。来店するのは家族連れのほかに若者やカップルの姿も増えた。時間をかけて店頭のサンプルを試してから買い求める客も多いという。

 好一さんは「じっくり進めるものから手軽なパーティーゲームまで種類が豊富で、少ない人数でも楽しめる。ブームはもう少し続くのでは」と予想する。

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 新品だと1箱数千円もするボードゲームやカードゲームも少なくない。「興味はあるけれど買うにはハードルが高い」。そう感じる人たちも気軽に足を運ぶ店が、埼玉県本庄市にある。

 「ボードゲーム駄菓子屋 サンタさん」(同市鵜森)。壁一面の棚には、ボードゲームの箱が300種類以上ずらり。会社員の傍ら店を営む三田智之さん(42)が、中古品店などを巡って買い集めた。

 2015年ごろ、群馬県伊勢崎市内で知人から小さな駄菓子店を譲り受けて開店。より広い場所で夜間でも楽しめる場に、と昨年11月に移転したばかりだ。

 店内のゲームは1時間500円、1千円で6時間まで遊び放題。小学生から大人まで客層は幅広い。自宅から持参したゲームを広い机に広げて興じる客もいれば、棚から手に取ったゲームの手ほどきを請う客も。自宅で楽しめるお薦めのゲームやルールを尋ねる客も増えた。

 「ボードゲームの魅力は負ける過程も楽しめるところ。目標に進む中で初対面の相手ともコミュニケーションを深められる」と三田さん。見知らぬ客どうしが意気投合して友達の輪が広がる場面も少なくないそうだ。「世代を超えて真剣勝負できるのも醍醐味(だいごみ)です」(松田果穂)

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