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 新型コロナウイルスの影響で訪日外国人客が激減し、急落していた神戸ビーフの価格が、コロナ流行前の水準に戻った。国の支援策が功を奏したようだが、町の精肉店からは「逆風だ」との声も聞こえる。

 「お客さんが手を伸ばしやすい値段でおいしい和牛を提供できていたが、昨秋から仕入れ値が上がり扱いづらくなった」

 神戸市内で精肉店を営む男性はそう嘆く。新型コロナの影響で、和牛相場は昨年1月ごろから下落。同店では、すき焼き用の和牛「肩ロース薄切りスライス」を、100グラム980円から880円に値下げした。すると、知人に贈るためにまとめ買いする客や、リピーター客が来るようになったという。

 ところが昨年9月下旬、仕入れていた和牛の枝肉が急に値上がりした。やむをえず店でも以前の値段に戻した。年末はすき焼きやしゃぶしゃぶ用の牛肉が売れるかき入れ時。「年末商戦まで好調に行けばと思っていたが、コロナ前より高くなった印象だ」

 東京や神戸の食肉市場の枝肉相場を見ると、最高級のA5ランクは昨年4月に最も落ち込み、1キロ2千~2500円と前年同月比で約3割下落した。しかし、その後は上昇を続け、昨年12月は3千円前後と前年並みに。神戸ビーフも同様で、神戸肉流通推進協議会によると、昨年12月は前年同月と同じ3200円にまで戻った。

 この反転上昇は、国の業界支援策が効果を上げたおかげのようだ。

 国は消費低迷にあえぐ和牛業界を支援するため、小中学校の給食で和牛肉などを提供した場合、100グラムにつき最大1千円の補助を始めた。子ども1人あたり計300グラムまでで、兵庫県内では昨年9月~今年3月、神戸ビーフの年間流通量の約5%にあたる約84トンの神戸ビーフを給食で使う計画だ。

 さらに、和牛肉の冷凍保管経費の支援や、冷凍品を販売すれば1キロ1千円の奨励金を出す制度も設けた。ある生産・販売業者は「高値の時に売れば、差額がもうかる上に奨励金ももらえる。冷凍品は宝の山になる可能性がある」と期待する。東京の流通業者も「国産農産物の販売促進支援などもあり、国の施策で和牛の相場は跳ね上がった」と見方は一致する。

 冷凍保管や給食などで需要が高…

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