奥村智司
拡大する2016年5月に硫黄島で行われたFCLP
鹿児島県・種子島にある西之表市の市長選が24日、告示された。沖合に浮かぶ無人島・馬毛(まげ)島で計画される米軍訓練と自衛隊基地整備への賛否が大きな争点で、反対する現職と容認の新顔による一騎打ちの公算が大きい。市民の意見は割れているが、賛成派も含めて懸念材料となっているのが日米の訓練による騒音。特に、国内法の規制が及ばない米軍機への不安は根強い。
「牛を飼えなくなるかもしれない」。馬毛島を望む丘に建つ畜舎で浦頭(うらがしら)長五郎さん(82)は話す。犬にほえられても小屋にこもるほど繊細な牛といい、訓練の騒音でお産をしなくなるのでは、と危惧する。かつて米海軍厚木基地(神奈川県)の周辺に住んだ経験があり、音のレベルは想像がつく。「遮るものはなく、近くを飛べば音が響く。受け入れた後で『こんなはずじゃなかった』と言っても遅い」と訓練移転に反対する。
拡大する訓練への不安を訴える浦頭長五郎さん。海岸近くに牛舎があり、沖に馬毛島がある=2020年12月12日午後2時51分、鹿児島県西之表市、奥村智司撮影
馬毛島への移転計画があるのは、硫黄島(東京都)で年に約10~20日行われる米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)。タッチアンドゴーと呼ばれる離着陸を、米軍機4~6機が旋回しながら連続して行う。
硫黄島が天候不良の場合、本土…
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