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 大相撲初場所(東京・国技館)千秋楽の24日、埼玉県朝霞市出身で西前頭筆頭の大栄翔(27)=本名・高西勇人、追手風部屋=が、西前頭5枚目の隠岐の海を突き出しで下し、13勝2敗で初優勝を果たした。県出身力士の幕内優勝は初めてで、県内の関係者は喜びの声を上げた。

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 「手塩にかけた生徒だからうれしいね。涙が出ますよ」。大栄翔の母校で、名付け親でもある埼玉栄高校相撲部の山田道紀監督(55)はこう話した。本場所中も「勝って親孝行しなさい」と伝えたという。高校入学時は同級生部員の中でも4、5番手の実力だったが地道な努力を続けて道を開いたと言い、「後輩部員のお手本になっているね」。

 小学生時代に相撲道場で稽古をつけた元指導者の高橋昭二郎さん(93)は「今場所は特に調子が良かった。当時からプロになると思っていたけど、ここまで活躍するとは」。小学1年から約6年間、朝霞市内の武道館で相撲を教えた。年上の生徒に勝てず悔しがっていたのが印象的だったという。

 大栄翔を主人公のモデルにした小説「おれ、力士になる」の著者、須藤靖貴さん(56)は「迷いのないすばらしい相撲ぶり。興奮しました」。前日に国技館で観戦した際、取り組みを前に小さく拳を握り、気合を入れる大栄翔に「手の皮がちぎれるほど拍手を送った」という。

 朝霞第一中の同級生だった長女から「相撲大会で優勝したことを校内で紹介されたときも、浮かれた様子一つ見せなかった」と聞いていた。「当時からいつも自然体だったのでしょう。今回の取り組みに通じるものがある」

 後援会「大栄翔を励ます会」の栗原友介会長(60)は、朝霞第一中の卒業生だったことから会を2016年に立ち上げた。「素直な大栄翔が厳しい稽古で黙々と努力し、大きな成果を出したことに、励ますほうの私たちが励まされています」と祝った。(吉岡資、黒田早織)

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 所属する追手風部屋のある草加市の浅井昌志市長は「おめでとうございます。地元の追手風部屋の力士で県出身者初の幕内力士の優勝は、コロナ禍で大変な状況にある人たちに勇気と希望を与えました。快挙を草加市民とともにたたえたい」。「草加市で開かれる青少年相撲大会に来ていただき、追手風杯を子どもたちに手渡ししていただけるのを楽しみにしています」とコメントした。

 朝霞市の富岡勝則市長は「優勝、まことにおめでとうございます。県出身力士として史上初の快挙。コロナ禍で暗いニュースが多い中、とても元気をいただいた。三役昇進、そして大関、横綱を目指して、今後のさらなる躍進を期待します」とコメントした。(春山陽一、斯波祥)

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