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 秋田県大館市の中心部で、紅茶専門店&紅茶スクール「イギリス時間紅茶時間」を営む。英国紅茶研究家の斉藤由美さん(53)は、地元の老舗和菓子店「山田桂月堂」とともにギフトセットをつくり、昨年秋に販売を始めた。

 きっかけは、県北地域の特産品などを販売するインターネットショップ「こだわりAKITAセレクトショップ」からの出店依頼だった。地元を代表する和菓子を買い求め、紅茶のブレンドを試作し、関係者と試食試飲会で組み合わせを決めた。ギフトセットには「大館銘菓と紅茶時間」と名づけた。

 県産の枝豆を使った「おおだてえだまめモナカ」にはダージリンを、生地や餡(あん)にクリームチーズがたっぷり入った「ハチの足あと」にはアッサムを中心に、和菓子に合う紅茶をブレンドした。

 海外文化の紅茶をどう大館に融合させるのか。長い間の課題だったが、今回のギフトセットはその実現でもあった。

 「和菓子には日本茶という先入観がある。視点を変えることで和菓子がさらにおいしくなる。ティータイムで大館を感じてほしい」

 紅茶との出合いは大学卒業後、都内で紅茶会社に入社してからだ。入社4年目で紅茶教室などを開設する新規事業の担当者に抜擢(ばってき)された。季刊の会報誌の取材、執筆も担当した。

 紅茶の本場イギリス旅行にも会員に同行した。この時、紅茶の歴史などの質問に答えられず、知識不足を痛感した。帰国後に一念発起、イギリスに関する映像や書籍から知識を貪欲(どんよく)に吸収した。紅茶を通じ、食器や料理、海外の文化などにも興味が広がった。

 「カジュアルにもゴージャスにも楽しめ、雰囲気の幅が広い。どんな時でもプラスの効果をもたらしてくれます」と紅茶の魅力を語る。

 結婚を機に帰郷し、自宅で教室を開いた。すでに著書もあり、紅茶のエキスパートという自負があった。ただ、「趣味として楽しんでいる」という周囲の視線が気になった。ハードルが高いといわれる紅茶を分かりやすい存在にしたい。そんな時、貸店舗を見つけ、紅茶を広める好機と考えて店を開いた。

 2017年4月にオープンした店は「味わう 選ぶ 学ぶ」がコンセプトだ。昨年11月、目標にしていた日本紅茶協会が選ぶ「おいしい紅茶の店」に北東北で唯一選ばれた。秋田市や青森県弘前市のカルチャースクールでも開講している。

 「嗜好(しこう)品の紅茶に邪道や王道はありません。自分が好きな紅茶を飲むことが一番いい飲み方です」と柔軟に考えている。(加賀谷直人)

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 さいとう・ゆみ 英国紅茶研究家。1967年大館市生まれ。大学卒業後、英国紅茶のブランド会社に勤務。著書の「しあわせ紅茶時間」は台湾、韓国、中国でも翻訳出版された。日本紅茶協会認定ティーインストラクター。

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