最終処分場に地元反対 決着遠く 豊能ダイオキシン問題

瀬戸口和秀
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 大阪府豊能、能勢両町で構成する豊能郡環境施設組合が、ダイオキシン類を含む廃棄物を仮置きしている豊能町の旧保育所に最終処分場を造る方針に、地元の自治会が反対姿勢を鮮明にした。20年以上続く廃棄物問題が最終決着するめどはいまなお見えない。

 「ダイオキシン埋立断固反対」。豊能町余野(よの)の旧町立双葉保育所の近くに横断幕が掲げられている。余野自治会がつくったものだ。

 自治会は昨年12月7日付で、「『反対意見を無視』してまで計画を実行に移す事は断固として許されない」とする嘆願書を組合に出した。組合側は「想定していなかった」と戸惑いを隠せない。

 仮置きされている廃棄物は、排ガスから高濃度のダイオキシン類が検出されて問題になった豊能郡美化センター(廃炉)の焼却灰などだ。ダイオキシン類が溶け出さないようにコンクリート固化してある。

 2016年にいったん神戸市内に埋め立てたが、同市から「無断で埋め立てられた」と撤去を求められ、持ち帰った。その後は旧保育所など豊能町内3カ所で一時保管してきた。

 19年の豊能町長選で初当選し、現在は組合管理者を務める塩川恒敏氏は鉄筋コンクリートで仕切った遮断型最終処分場を造って処分する方針を示してきた。20年度組合予算にはボーリング調査費など計約2500万円を計上した。

 ただ組合側は処分場の建設候補地をしばらく明かさず、昨年9月の余野自治会の定例幹事会で、旧保育所とする方針を自治会側に伝えた。

 組合は余野地区の七つの町内会への説明会も順次開いた。組合関係者は「温度差はあったが最終的に絶対反対という感じではなかった」という。10月末に地区住民への全体説明会を開いた後、塩川氏が記者会見して旧保育所での建設方針を公表した。

 自治会内ではその後、反対の声が強まった。12月5日の臨時総会では建設計画に反対することに加え、これまで結んできた仮置きの期間を延長する覚書を組合側と締結せず、廃棄物撤去も求めることを決めた。

 嘆願書を受け、組合は自治会と協議し、自治会側に今後、定期的に状況を説明していくことにした。

 計画に反対する町内会役員の女性らは「なぜ、役場や学校、公民館が近いまちの中心部に造るのか。仮置きを我慢してきたが、処分場建設は話が違う」と憤る。自治会長も「自治会の存在を組合は軽く見ているのか」と語気を強める。

 昨年12月の町議会でもこの問題が取り上げられ、塩川氏は旧保育所を選んだ理由について、「町有地で最終的に町が責任を持って管理できる。廃棄物の移動に伴う風評被害などのリスクも少ない」と説明した。「他の候補地も探してきたが、最終的に判断した」と理解を求めた。

 塩川氏は朝日新聞の取材に「地元への説明が十分ではなかった。丁寧に説明して理解を得て、負からプラスのイメージに転換できるようにまちづくりを進めたい」と話した。(瀬戸口和秀)

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 〈豊能郡ダイオキシン廃棄物問題〉 郡美化センターの廃炉に伴い、ダイオキシン類を含む焼却灰などについて、郡環境施設組合は2015年、「一般廃棄物」として福岡県大牟田市で処理しようとしたが頓挫した。組合は処分先の自治体への通知が不要な「産業廃棄物」と解釈を変更し、翌年2月に神戸市内の処分場に埋め立てたが、神戸市の反発で撤去した。