拡大する写真・図版東京都庁近くの地下通路に表示されている東京五輪のマスコット=2021年1月23日、東京都新宿区、諫山卓弥撮影

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逆風の五輪㊦

 1年延期された東京五輪の開幕まで23日で半年となった。だが、新型コロナウイルスが猛威を振るい、五輪・パラリンピックの開催に懐疑的な声は強まるばかりだ。4年に1度、私たちを熱狂させてきたスポーツの祭典がかつてない逆風にさらされている。

 五輪イヤーを迎えた今月4日、宇都宮大学(宇都宮市)で「スポーツ余暇政策」を教える地域デザイン科学部教授の中村祐司(59)は、オンラインの講義で東京五輪を取り上げた。

 開催方法や可否の決定権を持つとしたら、どうするか。20人の学生を5班に分けて議論させた。国内外の新型コロナウイルスの感染状況を踏まえつつ、政治や経済など様々な観点からスポーツを考えてもらうのに、五輪は格好の材料だった。約30分後、会見の形式で各班に発表させた。

 「東京五輪を中止とすることに決めました」

 最初の班も、次も、その次も。全ての班が中止と結論づけた。「予選開催が難しく、公平な代表選考ができない」「医療が追いつかない」などが理由だった。中村は「再延期や無観客開催もありうると思ったので驚いた」と振り返る。

 昨秋、別の講義では、開催の意見が大半で、「ボランティアに登録しているからやってほしい」「五輪は社会に活力を与える」といった声も出ていた。「五輪は単なる競技会でなく、世界を動かす力がある」と考えていた中村は「コロナ禍の今、学生は五輪にもう特別な感情を持っていないのかもしれない」とみる。

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