霞が関の長時間労働が生む「多様性のなさ」残業大国の闇

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聞き手・湯地正裕 聞き手 編集委員・浜田陽太郎
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 霞が関で働く官僚の長時間労働が問題になっている。それが意味することは何なのか。「恵まれた公務員が何を言っているのか」では片付けられない、私たちの生活に及ぼす負の影響とは。

ワーク・ライフバランスの小室淑恵社長

 「夜10時から翌朝5時の完全閉庁」など中央省庁に働き方改革を求める提言書を昨年末、河野太郎行政改革担当相に提出しました。発起人となったのは有識者21人ですが、私のほか、サイボウズの青野慶久社長ら民間企業の経営者が7人を占めました。

 私は主に民間企業の働き方改革や、女性活躍の推進策に取り組んできたのですが、霞が関の官僚の長時間労働には、以前から危機感を抱いていました。この問題の本質は、国民がすでにさまざまな「負の影響」をこうむっているのに、その因果関係に気づきにくいことにあります。

 長時間労働で精神を病むなどして優秀な官僚ほどやめてしまう点も大きな問題ですが、特に強調したいのは、長時間労働が官僚組織を構成する人の多様性のなさを生み、国民の意識を反映しない政策につながっている点です。

 たとえば少子化問題。私は長年、官僚と議論してきましたが、「少子化の原因が長時間労働にある」という論点が驚くほどに伝わらず、悔しい思いをしてきました。20代からの日々を、働くことと子育てを両立できない職場で過ごせば、女性は大切な子の命を預かる生活などできないと考え、その責任感から産まない選択をします。その感覚が理解できないのです。

 女性の官僚は子育てで時間的…

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