中国、少数民族の言語教育に暗雲 地方に法令改正求める

北京=高田正幸
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 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の法制工作委員会(法工委)が、少数民族固有の言語を使った授業の導入を民族学校に義務づける地方の法令について、「憲法と一致しない」として関係部門に改正を求めた。20日の常務委で法工委幹部が明らかにしたと、中国紙「法治日報」が伝えた。

 民族言語での教育を義務づけたり推進したりする地方の規定がなくなれば、少数民族への教育で標準中国語の比重が一層高まる可能性がある。

 中国の各地方には、少数民族が通う民族学校について「中国語の授業に加え、民族言語での授業も行わなくてはいけない」(黒竜江省民族教育条例)などとする規定があり、固有の言語と標準中国語を学ぶ「双語教育」が実施されてきた。

 しかし、同紙によると、法工委はこうした法令を問題視し、憲法の「国は標準中国語を普及させる」との規定にそぐわないとの見解を示したという。

 中国政府は近年、標準中国語教育を強化している。内モンゴル自治区では昨年9月、従来モンゴル語を使っていた一部の授業を標準中国語で教えるとの方針を自治区政府が示し、保護者らの抗議運動に発展した。

 昨年12月には、中国政府で少数民族政策を担う「国家民族事務委員会」のトップに多数民族である漢族の陳小江氏が就任した。香港メディアによると、漢族がこのポストに就くのは66年ぶり。愛国意識を共有する「中華民族」としての一体感を高める政策が強化されるとの見方がでている。(北京=高田正幸)