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 不動産経済研究所は25日、2020年に首都圏で発売された新築マンションの1戸あたりの平均価格が6084万円だったと発表した。前年より1・7%高く、バブル期の1990年の6123万円に次ぐ過去2番目の高値水準。コロナ禍でも都心で駅から近い物件の人気は高く、平均価格の上昇に拍車をかけた。

 20年の発売戸数は、春の緊急事態宣言で販売を一時休止したことが響き、前年比12・8%減の2万7228戸と、92年以来、28年ぶりに3万戸を下回った。21年は17・5%増の3万2千戸程度の発売を見込む。

 価格上昇の背景にあるのは、東京23区のシェアの増加だ。首都圏のうち23区のシェアは、07年に27%だったが20年は40%に上昇。不動産会社は、都心の駅に近い好立地の物件に絞る傾向が強まっている。

 同研究所の松田忠司主任研究員は「90年のときは23区のシェアは2割しかなく、供給の8割が郊外。今と市場は全く違う」。さらに東京五輪・パラリンピックに向けた工事の増加に伴う人手不足で施工費が上昇し、シェアの高い都心部の地価の上昇が加わった。

 価格が高くてもマンション市況は好調だ。20年の新築マンションの発売月の契約率は66・0%で、前年より3・4ポイント上がった。住宅ローンの金利が低いことも大きい。都心では昨年9月には東池袋駅直結の「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」は第一期の115戸が平均価格1億円超にもかかわらず即日完売した。郊外でも、17年に販売を始めた西国分寺駅徒歩10分の「ザ・パークハウス国分寺四季の森」は昨年12月に完売した。「コロナ禍で販売スピードが上がった。より広い部屋、間取りを求める人が選んでいる」(三菱地所)という。

 不動産コンサルタントの長嶋修さんは「コロナ禍でも駅前・駅近・大規模・タワーの人気は相変わらず高い。コロナをきっかけに住まいを考え直した人もいる。売れ行きの裾野が広がったようだ」と話す。(南日慶子)