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 国立大学の旭川医科大学(吉田晃敏学長、北海道旭川市)の付属病院、旭川医科大学病院の院長を25日付で解任された古川博之院長が同日夜、報道関係者向けにコメントを出した。

 「本日、病院長の職を解かれました」との言葉で始まる文書で、古川氏は解任に至る経緯を説明。

 それによると、今月15日、吉田学長の発言の動画が学外に漏れたことについて、「私がその原因を作出した者であるか、私に端を発する事象であるという心象を前提に」、旭川医大の役員会からヒアリングを受けたという。

 役員会からは院長を辞任するよう求められ、22日までに辞任しない場合は解任することを示唆されたという。しかし古川氏は「解任相当とする具体的事実が事前に告知されておらず、告知・聴聞の手続きにおいては不適正」「ヒアリングでの質問内容は十分な反論も受け入れず、結論ありきのもの」と批判。「不利益処分を基礎付けるような具体的証拠は何もない」とした。

 さらに、吉田学長の不適切な発言などを巡り、文部科学省が旭川医大を調査しているさなかに院長辞任を求めるのは「真実隠しと思わざるを得ない」とし、旭川市の病院の新型コロナウイルス対策で「リーダーシップをとってきた私を解任することは、地域医療をないがしろにしている」とも指摘した。

 そして、「このような理由から辞任勧奨を拒否」し、「その結果、本日解任ということになりました」と結んでいる。

 旭川市では昨年11月6日、市内の吉田病院でクラスターが発生。旭川医大の吉田学長は同17日の学内の会議で「コロナを完全になくすためには、あの病院(吉田病院)が完全になくなるしかない、ということ」などと発言したとされる。

 発言は12月に文春オンラインで報じられ、吉田学長は「不適切な発言であったと深く反省しています」などとするコメントを出した。

 また吉田学長は、いったん古川院長が他の病院と合意した吉田病院からのコロナ患者受け入れについて「許可しない」と発言したとされる。古川院長が朝日新聞の取材にこうした発言を証言し、吉田学長が「受け入れてもいいが、代わりにお前がやめろ」と話したことも明らかにしていた。(井上潜)