集計機会社「大統領選操作はウソ」 元NY市長を提訴

ニューヨーク=藤原学思
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 米大統領選に絡むうそを広めたとして、投票集計機メーカー「ドミニオン・ボーティング・システム」は25日、トランプ前大統領の顧問弁護士、ジュリアーニ元ニューヨーク市長を相手に13億ドル(約1350億円)の損害賠償を求める訴えを起こした。会社の存続につながりかねない陰謀論に対し、厳しい姿勢を示した。

 ワシントンの連邦地裁に提出された訴状によると、同社は、ジュリアーニ氏が「ドミニオン社が選挙を盗み、票を操作した」とする虚偽の情報を流し、数百万人をだましたと主張。思想の似通った保守メディアも拡散に加担し、同社社員は殺害予告を受けるなどの被害にあったと訴えている。

 同社は「偽情報キャンペーン」に対応するため、117万ドルの費用をかけたほか、社員らの安全確保のため、民間警備会社に56万5千ドルを支払ったという。

 同社の集計機は今回の選挙で、米国の約半数の州が導入した。政府機関による試験を経ており、「不正」を裏付ける証拠はこれまで確認されていない。しかし、ツイッターでは昨年12月、2200もの利用者がわずか3時間の間に、「ドミニオン」「詐欺」という言葉を含む投稿を連発。投稿した利用者のフォロワーは計875万人に上り、偽情報は大きく拡散したという。

 同社は訴状で、偽情報が今月6日の連邦議会議事堂襲撃事件に影響を与えたとも指摘。それにもかかわらず、その後もジュリアーニ氏は偽情報を流し続けたという。また、「記録を正し、自社や従業員、選挙プロセスを守るためだ」と訴訟の目的を記している。今後、訴訟の対象は保守メディアにも及ぶ可能性がある。(ニューヨーク=藤原学思