新型コロナでいつもマスク 認知症の母が理解したワケ 

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松本一生
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 新型コロナウイルスの感染が全国で広がるなか、2回目の緊急事態宣言が出ました。全く情報がなかった時と比べると、少しずつですがウイルスの特性がわかり始めています。人は誰でも正体がわからない恐怖と向き合うと、その恐怖感が増幅され、いわれなき差別につながります。認知症当事者、エッセンシャルワーカーや医療関係者への差別があるとすれば、私たちが「恐怖に負けたこと」を表していることになると思います。

 私は「もの忘れ外来」に取り組む診療所の医療者として今回の感染に対していくつかの危惧を持ちました。それは認知症当事者が感染の危険性を理解できない場合に感染を広げてしまうのではないかということ、感染を恐れる周囲の人が認知症当事者を避け、ケアが低下することや差別が生まれることでした。

 2020年5月と11月に認知症当事者が今回のコロナ禍のことをどの程度理解しているか、調査して比較しました。5月の受診者876人ではウイルス感染への理解を(ある程度)していた人が53人でしたが、11月には556人に増え、認識がない人は5月の750人から11月には239人に減っていました。

時間をかけてゆっくりと

 アルツハイマー認知症中等度で、45歳の息子と暮らす70代後半の女性、高柳育子さん(仮名)は診療所に月1度の割合で受診しています。彼女は長谷川式スケールの点数が30点満点中14点で、かなりのことについて息子さんの手助けが必要なレベルでした。

 2020年の3月にコロナ感…

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