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不妊治療の末「四つ子です」 産めるのか、涙した末に…

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遠藤隆史 杉浦奈実
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 複数の胎児を妊娠した際、胎児を減らす「減数(減胎)手術」と呼ばれる手術がある。母体への負担を減らすのがおもな目的だ。国や医師会は必要性を認めるが、法的な位置づけや手術方法などのルールは定まっていない。四つ子を妊娠し、減数手術で双子を産んだ女性が朝日新聞の取材に応じた。手術を選択せざるを得なかった、当時の夫婦の葛藤を語った。

 「四つ子です」。大阪府内に住む30代の会社員女性は、不妊治療の末に妊娠がわかった2019年秋、通院するクリニックの医師からそう告げられた。

 16年に結婚した。夫婦とも子どもが好きで、「いつかは子どもを」と当たり前のように思った。なかなか授からないまま、30歳を過ぎた。

 周囲は20代で出産した友人ばかりだった。母親にも「早く子どもを産みなさい」とせかされ、焦りが強まった。不妊治療を決意し、排卵誘発剤を使った治療を続けて1年半後、妊娠を知った。

 妊娠検査薬で陽性反応が出た日、自宅で一人、うれし涙を流した。帰宅した夫にサプライズで検査薬の反応を差し出すと、ふだんは物静かな夫が、満面の笑みで頭をなでてくれた。

手術を決断、きっかけは夫の言葉

 その後の診察で胎児のエコー画像を見ながら「四つ子」と告げられた。夫婦で言葉を失った。無事に産めるの? 産んでも4人を育てられるの? 経済的に生活が成り立つの? 動揺を抑えるのが精いっぱいで、医師には聞けなかった。帰りの車中で、夫と何を話したかも覚えていない。

法的な位置づけがあいまいで、さまざまな意見のある胎児の減数手術。手術を巡り訴訟に発展するケースも。多胎妊娠を告げられた女性は、どんなことを思い、どんな選択をしたのでしょうか。

 たしかに、不妊治療で排卵誘…

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